
ひだお
@hida_2003
- 2026年9月26日
人・で・なし宮部みゆき読み終わった宮部みゆきといえば上下巻に分かれる作品も多くて、長編小説を書く作家というイメージがあったけど、短編もしっかり面白かった。 特に「サボテンの花」がかなり好み。 小学生が一致団結して大人を出し抜くのが愉快で、彼らがそれをしたかった理由にもほっこりしてしまった。 この作品の教頭先生みたいな先生がいたら、子どもは嬉しいだろうなぁ。 読後感がいい作品が多い中で、唯一ゾクっとさせられたのが表題作の「人・で・なし」。 人でなしの意味が二転三転して、結局お前のことだったのか⁈と最後にひっくり返される。 全体的にどこか古風な文体も癖になっていい感じ。 - 2026年9月18日
星を編む凪良ゆう読み終わった歪こそが愛の本質なのである。 作中に登場するこのフレーズが、この小説、そして「汝、星の如く」の全てを表していると言ってもいい。 世間一般の普通からは外れた関係であっても、それは本人達が自らの意思で選んだ道で、その先で傷を負うことがあろうとも懸命に生きる彼らの強さには心を打たれた。 そんな彼らの上辺だけを見て無責任にあれこれ言う人には怒りが湧いたけど、自分もいつそちら側になってしまってもおかしくないんだよな。 実際、北原先生のことは誤解してしまっていたし。 自分の生き方を自分で決める強さを持っていたいと思わせてくれた作品だった。 - 2026年9月14日
魔眼の匣の殺人今村昌弘読み終わった剣崎比類子シリーズ2作目。 屍人荘の殺人でも思ったけど、設定を展開に活かすのがすごくうまい。 特殊なシチュエーションが単なる物語上の装飾にとどまらず、動機やトリックと結びついていて、その状況を描く意味がしっかりと感じられた。 超能力というテーマを扱ってはいるものの、あくまでも推理は論理的に構築されていて本格ミステリとしての満足度も高い。 葉村くんと比類子さんのキャラクターもよくて、これからも追い続けたいシリーズ。 - 2026年7月14日
硝子の塔の殺人知念実希人読み終わった密室あり、クローズドサークルあり、読者への挑戦ありetc...とミステリのバイキングみたいな作品。 設定もりもり過ぎて少し陳腐な印象すら受けたけど、まさかそれにすら理由があったとは。 読みながら感じていたことが最後に全部回収されて、作者の思うがままにコントロールされているような感覚になった。 動機がちょっと弱いかなとも思ったけど、その後にちゃんとその妥当性を補強するような情報も開示されて隙がないなぁと思った。 やっぱりミステリは驚かされてなんぼだね。 - 2026年6月28日
地雷グリコ青崎有吾読み終わったやっぱり天才対天才の頭脳戦は面白い。 ゲームの内容が、グリコやだるまさんがころんだといったよく知ってる遊びをアレンジしたものになっているから、何が行われているかイメージがしやすくて対戦の中身にのめり込むことができた。 何千万という賭け金のスケールとは対照的に、真兎が絵空と戦いたかった理由が普通の高校生っぽくてどこかほっこりしてしまった。 キャラも立ってるし、やけに権威がある生徒会や関西弁キャラなどあるあるな設定もあってアニメ映えしそうだなぁ。 - 2026年6月17日
少女湊かなえ読み終わった主人公の少女2人はどちらも結構いい性格してるけど、なんだかんだいっても根っこではお互いに大きな感情を持ってる関係性がいい。 シスターフッドとしてすごく魅力のある作品だけど、当然湊かなえがそれだけで終わらせるはずもなく、最後の鮮やかな伏線回収でしっかりいやぁな気持ちにさせられた。 それにしても、湊かなえ作品って絶対にしんどい展開があるのになんでこんなに読みやすいんだろうか。 どちらかというと鬱展開とかは苦手なはずなのに、いつもスラスラ読めてしまうんよなぁ。 - 2026年6月14日
叙述トリック短編集似鳥鶏,石黒正数読み終わった叙述トリックがあることをあらかじめ告知してしまうというチャレンジングな作品。 事前に叙述トリックがあるとわかっているから自然といつもより注意深く読み進めることになって、おかしな点に気づけたり、完答とまではいかなくとも大まかな真相がわかったりして、作者との頭脳勝負感をいつもより強く感じられた。 基本的にコミカルな文体だけど、あとがきは特にふざけまくってて思わず笑ってしまった。 あと、個人的に表紙絵が石黒正数先生なのも嬉しい。 - 2026年5月23日
藍を継ぐ海伊与原新読み終わったそっと背中を押して、ここにちゃんと道があるから大丈夫だよと励ましてくれるような優しさのある短編集だった。 どの話も田舎が舞台になっていて、派手さはなくとも人の悩みを掬い上げてしみじみと前向きな気持ちにさせてくれるこの作品に合ってるなと思う。 タイトル通り、継ぐということがテーマになっているんだろうなという気がして、過去の物や思いが現代まで繋がることにロマンを感じてしまった。 - 2026年4月30日
死神の精度伊坂幸太郎読み終わったこの作品に出てくる人間は多くがトラブルの渦中にあってドタバタしているのに、死神側は常に飄々としている対比が面白い。 死神の視点から見る人間の営みはどこか馬鹿らしく滑稽に見えて、でもどの章も読み終わった後は不思議とそれに負の感情は湧かない。 今まで読んだ他の伊坂作品にも共通することだけど、アクの強いキャラクターがコミカルに親しみやすく描かれていて、人ってアホだけどそれも含めて面白いだろって言われてるように感じる。 - 2026年3月16日
成瀬は都を駆け抜ける宮島未奈読み終わったただ淡々と自分の決めたことをやり通す成瀬を見ていると、自分も何かに挑戦したい気持ちになって、彼女に惹きつけられる登場人物たちの気持ちがわかる。 名前の由来どおり周りを照らしてくれる成瀬だが、成瀬もまた周りに支えられながら生きているんだなと、お母さんや島崎との関係性を見ていると特に思う。 これまでに成瀬と関わった人たちが次々と集まってくるラストシーンは、シリーズ完結編に相応しい大団円という感じで、感慨深さと寂しさが同時に込み上げてきた。 まだまだ成瀬あかり史を見ていたいけど、それを見届ける役目は、きっと島崎にしか務まらないんだろうな。 - 2026年3月8日
探偵小石は恋しない森バジルこれでもかというくらいひっくり返される。 各所で激奨されている理由がよくわかった。 序盤からここが伏線だろうなと推測できる箇所も散見されて、展開の予想をしながら読み進めたけど、そこからさらに進んだ所に真実があって、むしろ自分の予想が隠れ蓑になっていた感すらある。 その点も含めて、偏見や先入観、固定観念といったものがこの作品のテーマの1つなんだろうなと感じた。 ライトな文体ながらも、フェアで重厚な仕掛けが施された紛れもない本格推理小説。 ここ最近で1番の作品かも。
読み込み中...