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ヒナパパ
@hinapapa
  • 2025年3月31日
    ものは言いよう
    ものは言いよう
  • 2025年3月28日
    美術/中間子 小池一子の現場
    小池一子の現場 小池一子 四番目に生まれた女の子だけど、一子。 あまりにもすごい人でめちゃくちゃ面白い本だった。十和田現代美術館の館長をしていた事を初めて知った。三宅一生と働き、ファッションを展覧会によってアート領域まで引き上げた人、無印良品の監修を行い、現代美術にギャラリーを与え、武蔵野美術大学で教授を引き受けた。その際の誘いに「私が三宅一生と近い位置にいるから『将を得んと欲すれば馬を射よ』でしょ、と受けごたえをして了諾している。ファッションの展覧会の討議中にはダイアナ・ヴリーランドに「話がまとまらなかったら、ニューヨークの空に身を投げてしまうわ」と無邪気に言葉を投げかけている。見事なウィットに富む素敵な方である事が言葉選びにも現れていて、コピーライティングはさぞかし素晴らしかろう事を感じられる。その後、様々なキュレーションを毎年行い、80歳で美術館の館長に就任。この著作の2021年に85歳現役で活躍されているけれども、先日の日曜美術館においてその活躍は未だ続いている事はみられた。
  • 2025年3月25日
    カフネ
    カフネ
    カフネ 阿部暁子 スレッズの熱量的に本屋大賞はこの本じゃないかなと思って、読み終えてこの本が大賞ではなかろうかと思う内容だった。 幸せのロールモデルを失った現代で生きづらさを抱えている人達が登場する物語であったけど、漫画家の編集者曰く、漫画は書き手の書きたいものを書き続けるだけでなく読者の求めている物語に変容しなければならないという。 小説がその考えと同じであるかどうかはわからないけれども、読み手の多くの人の心に刺さる物語はきっと読者の求めた物語で、読者の言語化出来ていなかった感情の代弁者であると思う。読者の或いは、現代社会の憂いを、寄り添いを、共感を示してくれている物語だと感じた。
  • 2025年3月20日
    ゴランノスポン
    ゴランノスポン 町田康 装丁が奈良美智さんである事が有り難すぎる感謝。 空気緩んで、頬 5日待って、恋 ピース、ピース、絶望 ルルル、つながるぼくら ルルル、つながるぼくら 僕はいつしか本を捨てて歌い出していた。 なんだこりゃ。町田康さんは事実と脳内の思考と過去と現在の時系列もひとつの文章の中に入り混じってて、信用出来ない語り手の独白体というかなんだこりゃすぎてくさくさする。 マジ町田。町田しゃんか。しゃんてぃ。 たんか。たんか、たんか、たんか、しゃんか、しんか。すぐいい感じに戻れた。感謝。
  • 2025年3月20日
    拡張するキュレーション 価値を生み出す技術
    拡張するキュレーション 暮沢剛巳 バンクシーがMOMA、大英博物館といった高名な美術館、博物館に侵入、自作を持ち込み、無許可で設置して回った行為を「黄金色に輝く恐ろしい爆弾」を仕掛けた様子を描いた梶井基次郎の『檸檬』にたとえたことがある。 キュレーターと学芸員という存在があるけれども、そこにどんな差異があるのだろうかという事を色んな角度から言及されておられる。そこからキュレーションがなにをする行為なのかという問いを立てて、答えていたのが「従来とは異なる新しい価値を提示する」だった。 それは現代美術に限らず、古い時代の作品や資料であっても、情報の加工の仕方によって新しい価値を引き出す事ができれば、それはキュレーションなのである。 大手ディスプレイ会社に勤める知人がふと発した以下の言葉を耳にして、私は目から鱗の落ちる思いがした。「自分が今の会社に就職して間もない頃、上司からモノを見せる場合は陳列、情報を見せる場合は展示ということを教わりました。」
  • 2025年3月19日
    90歳セツの新聞ちぎり絵
    90歳でセツの新聞ちぎり絵 木村セツ 2019年1月1日、元旦から新聞ちぎり絵始めました。おとうさんが前の年の11/30に亡くなって、何もすることがなくなって。 ハンバーガー お肉好きやからお店で食べましてん。 これあんまりごついから「どこから食べるの」ゆうて食べたな。 戦争が終わった後は食べるものないなか、両親が苦労して食べさせてくれました。白いご飯と野菜は百姓してたからよう食べましたけど、魚はこの辺はなかった。お肉は時たま食べたんかなあ思います。 いくつであっても、なにかを始めることは出来るし、なにかに夢中であれば人の心を打つような素晴らしい作品が出来上がるのだなあと感じる素敵な作品ばかりでした。
  • 2025年3月16日
    世界2.0 メタバースの歩き方と創り方
    世界2.0 佐藤航陽 メタバースの先頭を走る旗手のような人で福島県に生まれて早稲田大学に入学するも2回生の学費を払うくらいならそのお金で起業しようと決意し、会社を28歳で上場させて200億以上の資産を築いてほとんど、隠居状態にある人。 スペースとユニバースの宇宙に人類は近く滞在を始めるであろう事を予見して、最近YouTubeで宇宙会議という内容の事を発信されている。 その中でコグニティブ(cognitive)について語られた内容がとても面白かった。 認知や認識という意味合いの英単語であるけど、現在の世界では「認知戦(cognitive warfare)」がすでに繰り広げられていて中国やNATOでは明言されて、台湾や日本にどのように現実を認識させるかという事が繰り広げられている。 ウクライナとロシアの戦争やアメリカの大統領選、東京都知事選、兵庫県の知事選、を見るに我々の現実認識はその第6次の戦場と呼ばれる認識の渦中にあるらしい。ひたすら、人をアジテイトしたり批判したりするAIも絶賛活躍中のようなので訳の分からない煽りをしているアカウントはAIである可能性がそれなりにある様子。
  • 2025年3月14日
    人間の建設(新潮文庫)
    人間の建設 小林秀雄×岡潔 知の巨人である二人の対談。 知の広さ深さの基礎教養が圧倒的だと、抽象的な概念から相手の知識量を把握して具体に移行していくプロセスを吹っ飛ばして、いきなり具体的な話を始めるのでとんでもない急流の中にいきなり放り込まれたような感覚になるなあと思いました。 小林秀雄さんが語ったエピソードで友人の骨董屋が酒を飲む時に李朝のいい徳利をいつも自慢して売ってくれないので28年間我慢していたけれども、酔った時に持ち帰って、危篤の時に電報をよこしたら返してやろうと言ってたら、その暇もなくアッサリと亡くなってしまった。その後、息子さんが父親の句集を出版したいので、序文を書く約束をしたと日記に書いてあるので書いてくださいと尋ねてきた。俳句を詠んでいた事も知らなかったが、俳句の中に「小林秀雄に」という詞書きがあり、「毒舌を逆らわずにきく老いの春」「友来る嬉しからずや春の杯」と徳利を持って帰った日の俳句に書いてあり、小林秀雄以外には何の事やらわからない俳句であるけれども、これほど面白い俳句はなかったとあった。 インテリジェンスに満ち溢れた素敵なエピソードだなと思った。
  • 2025年3月10日
    私がオバさんになったよ
    私がオバさんになったよ ジェーン・スー 勿論、森高千里の曲オマージュだと思うですが、あまりにクリティカルで素敵なタイトルなのでジャケ買いならぬ、タイトル借りしてきました。 アラフォーからアラフィフの魅力的な方々と対談をするのですが脳科学者の中野信子さんとの対談がお気に入りでした。 引用 “ジェーンそうそう、「本音」の価値が妙に上がってる感じが気持ち悪いって話も今日したかったんだ。 中野 「本音っぽい」ことね。 ジェーン「本音こそ価値がある」みたいな価値観ね。でも私は「本音」と言われるものをあんまり肩用してなくて。その時々、自分に足りないもの、もしくは足りているものによって本音はどんどん変わるじゃないですか。それを「今の気持ち」として話すのはいいけど、「肩頼性のある永続的な本音」として組上に載せるのは危険だよ。 昔から「ぶっちゃけ」はあったけど、今の「本音えらい」感じはなんなんだろう。 中野 メタ的に見る方がえらいという謎の序列が、ツイッターという野生の王国の不文律にあるからじゃない? ジェーン 恐怖のツイッターランドだ。mix.iはよかったー。牧歌的だったー。” 中野 ツイッターランドの序列づけ、言葉の殴り合いみたいな、「俺はお前の価値をこう見てる」みたいな上から目線の殴り合いがあるよね。よりメタ的に見られた者勝ち、っていうジャッジの基準があるようだから、虚飾が虚飾であるとバレると、それだけで立場が弱くなる。「虚飾がある」ということはそのまま「嘘で飾り立てねばならぬほど、己には弱点がある」ということだから。「本音」感を出すっていうのは、俺には弱点がないぜっていうアピールなのだろう、と思うことがあるよ。より相手に対して優位に立てるというような。言語界の『北斗の拳』ワールドみたいな。本音というか、「俺の方が本当のことを言ってる」と言ってマウンティングし合うような感覚。 ジェーン「本当のこと」っていう言葉ほど危ういものはない。その時の自分の気持ちでしかないのにね。
  • 2025年3月6日
    湯気を食べる
    湯気を食べる
    くどうれいん 湯気を食べる 普段、図書館で借りる事が出来るだけの本を借りてると作家さんに著作料を支払わずに本を読んでいるので、やや申し訳なさがあるけれども本屋さんで買って、読んでいる時だけはちゃんと著者に貢献出来ている、と思えて堂々と読む事が出来る。 食べ物エッセイを読んだ影響で、“美味しいものを食べなくては”という気持ちが起こって、夜にスーパーで手に取った398円のサラダ巻きを商品棚に戻して1380円の生本まぐろ入り上にぎり盛り合わせを買った。サラダ巻きはとても好きだけどカニやらイクラが入ったお寿司は言わずもがな美味しい。本の印税と別に1000円ほどお寿司をお腹に納税した。 気に入った作中の引用 【人生は円グラフだから、いやなことがあったらとにかくほかのことで頭の中を埋め尽くして、そのいやなことをさっさと灰色の細い「その他」にするほかないと思う。その点、ピザは完全に円グラフだ。生きていればいくらでもある辛いことを「その他」にしたい日、わたしはピザを食べたくなる。】
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