Reads
Reads - 読書のSNS&記録アプリ
詳しく見る
モチメリ
モチメリ
@mochimeri
  • 2026年10月2日
    五本指のけだもの
    五本指のけだもの
    怪奇小説の短篇集。とはいっても、怪物どーん、恐怖ばーんという短篇はなくて、どれもじわりと迫るような怪奇ぶりだった。「炎暑」がよかった。予言を入れ込む角度がよかった。
  • 2026年9月29日
    両膝を怪我したわたしの聖女
    両膝を怪我したわたしの聖女
    舞台はスペイン・テネリフェ島北部。そこに住む10歳の少女「わたし」はイソラという同い年の少女といつも一緒にいる。少女の思考をそのまま写し取ったかのようなドライブ感のある文体は、美しいものも醜いものも原色のまま突きつけてくる。 イソラは「わたし」にとって憧れの存在なので、その思いは同一化の欲望となり「わたし」の視線を支配する。しかし、その思いはちょっとしたきっかけで憎しみに反転する。大好きだけど大嫌い、というやつである。その不安定さにめまいを覚えながら読み終えた。
  • 2026年9月26日
    カウント・ゼロ〔新版〕
    カウント・ゼロ〔新版〕
    三つのエピソードが並行して進んでいく。ガジェットは魅力的だしAIの使い方も完全に現代を見越している。ただ80年代ゆえか、小説あるいは物語からの要請か、断片は収束すべきものとして配置されているように感じた。
  • 2026年9月23日
    英子の森
    英子の森
    表題作は得意なもの、得意だと自分が思っている、思わされているものに縛られる話。この「森」は隠喩で、寓話的になったりリアリスティックになったりする語りの工夫に一役買っている。メルヘンな感じかと思いきやどの短篇も風刺がきいていた
  • 2026年9月17日
    故郷 (岩波文庫 赤 714-1)
    刑務所から出たばかりのベルトとタリーノ。タリーノにしつこく誘われベルトは彼の故郷である農村に行くことにする。本作の語り手はベルトである。タリーノの故郷にて脱穀機を操作する仕事を任されたベルトは、彼の妹であるジゼッラに惹かれていく。 閉塞感を強めていくような田舎の描写がよかった。都会/田舎、水/血の対比などいろいろ読むことはありそうだけど、気になったのはタリーノに対するベルトの感情だった。批判的な描写が多いのにベルトはそもそも彼についていったのだし、いまいちベルトのタリーノに対する気持ちがわからなかった。ベルトとタリーノ、二人の屈折した関係に単純な対比には収まらない何かがありそうな気がした
  • 2026年9月13日
    見習い天使 完全版
    見習い天使 完全版
    見習い天使が人間界を神の視点から眺めて案内役を務めるミステリ集。人間の暗い部分を描いたものもあるけど、全体的に洒脱な雰囲気が漂っていて読み心地は上品だった
  • 2026年8月31日
    きみはメタルギアソリッド5:ファントムペインをプレイする
    短篇集。以下表題作について。 メタルギアソリッドVと一族の戦禍の歴史が解け合う魔術的冒険ということで、いわゆるマジック・リアリズムの手法で書かれており、さらに二人称という合わせ技。まず読んで思ったのは「短いな」だった。 マジック・リアリズムは現実(とされているもの)に幻想が侵入してくるイメージがあるのだけど、表題作では虚構に現実が侵入してくる。そこが短さの要因かもしれないと思った。現実は強いけど虚構は心許ないからね
  • 2026年8月28日
    ハルムスの世界
    ハルムスの世界
    本書の掌編を分類するなら不条理文学となるのだろうか。とはいっても、不条理文学としてよく名の挙がるカフカのような理由なき彷徨タイプではなく、ハルムスのそれはどこか最初から底が抜けているように感じられる。簡単にひとはいなくなるし、みんなそれでべつに平気らしい
  • 2026年8月26日
    雪の練習生
    雪の練習生
    サーカスの花形から事務職に転身した「わたし」(ホッキョクグマ)は自伝を書き始める。「わたし」の娘「トスカ」、トスカの息子「クヌート」と物語は続く。クヌートの章は格段に色が見えるようになっていて、色の描写について何かあるかもしれないと思った
  • 2026年8月22日
    異類婚姻譚
    異類婚姻譚
    経済力豊かな夫に庇護されて安穏な日々を送る女性が語り手。そうした生活を送るうち、語り手と夫の顔が似てくる。似てくるといっても夫の顔は溶けたりしていてまあまあグロテスクなのだが、そういうところに怖さは感じなかった。夫の発言のぬるぬるさが怖かった。
  • 2026年8月16日
    ビリー・バッド
    ビリー・バッド
    やはりポストモダン的な読解がしっくりくるかなー。ここで言うポストモダンとは読解の焦点が定まらないくらいの意味で、この小説はつねに「これだ!」という確信を外してくる。 たとえば、ビリーは不運な主人公だと読むやいなや、でも人ひとり殺してるのは確かだしなあ、みたいな感じでひとつの決断の裏から別の解釈が顔を覗かせる。 あと、処刑に際してのビリーのおとなしさが不気味だった。ビリーの肉声はかなり抑制して、周りの声や風景描写などで処刑を描いていた。
  • 2026年8月13日
    手のひらの京
    手のひらの京
    舞台は京都。長女・綾香は結婚への焦りをつのらせている一方、モテまくり人生の次女・羽依は職場の上司と恋仲になり、大学院で研究に没頭する三女・凜はいずれ京都を出ようとしていた。いけず概念の勉強になった。次女のブチギレは迫力があった
  • 2026年8月6日
    山頭火俳句集
    山頭火俳句集
    種田山頭火の俳句が1000句収められている。物事をありのまま見ようとする透徹した視線とどこか投げやりな様子が一句のなかで共存している。次の有名な句は昭和4年の作。 どうしようもないわたしが歩いてゐる/種田山頭火
  • 2026年7月31日
    オペラ座の怪人
    オペラ座の怪人
    パリのオペラ座を舞台に、怪人エリック、歌姫クリスティーヌ、貴族ラウールの三角関係が描かれる。原作はミステリ色が濃くペルシャ人が重要な役を担わされている。ファントム(原作ではエリック)がイケメンだった映画ではどうだっただろう。あまり覚えてない。日本ではオペラ座の怪人といえば劇団四季のものが有名だろう。劇団四季のオペラ座の怪人は、思っていたよりも原作の設定を踏襲していた。
  • 2026年7月31日
    ドルジェル伯の舞踏会
    ドルジェル伯の舞踏会
    社交界を舞台にした心理小説。アンヌ・ドルジェル夫人であるマオが青年フランソワに惹かれていく様子が精緻に描かれていく。気になったのはフランソワのお母様であるセリューズ夫人。彼女がけっこう話をかき回す。
  • 2026年7月31日
    リヴァイアサン号殺人事件
    リヴァイアサン号殺人事件
    19世紀末のパリ、大富豪の怪死をきっかけに乗り込んだ豪華客船リヴァイアサン号が舞台のミステリ。めっちゃミステリだった。過去の事件のショックで主人公のモミアゲが白いのだけど、となるとどうしても北大路欣也がちらついちゃうよね。とはいえ主人公はイケメンらしいからぜんぜん欣也ではないんだろうな
  • 2026年7月26日
    本にだって雄と雌があります
    小学4年生の土井博はある夜、祖父の與次郎が定めた「書物の位置を変えるべからず」という絶対の掟を破ってしまう。そこから本好きからするとリアリティのある展開が繰り広げられる。積読はマジで知らないうちに増殖するので。しかし本書の展開は戦争に及んだりしていて壮大だった。ユーモアをちりばめた擬古文調の文体だった
  • 2026年6月10日
    愛する者は憎む
    愛する者は憎む
    端正なミステリという印象。舞台はアルゼンチンの保養地マル・デル・プラタ近郊の砂丘地帯にあるホテル。医師である主人公は、そこで起きた二件の連続殺人を解明しようとする。
  • 2026年5月31日
    アメリカの鱒釣り
    アメリカの鱒釣り
    再読。さすがに古くなってるかなと思いきやまだまだかっこいい。 「ここでわたしの人間的欲求を表現すれば、――わたしは、ずっと、マヨネーズという言葉でおわる本を書きたいと思っていた」(215)
  • 2026年5月24日
    なめらかで熱くて甘苦しくて
    四大元素(水・土・空気・火)と「世界」のラテン語をそれぞれタイトルに持つ短編集。少女の想像の中の奇妙なセックス、女の自由をいまも奪う幻の手首の紐、母の乳房から情欲を吸いだす貪欲な嬰児などがとりとめのない文体で語られる。その文体が極まりすぎていることが理由だろうか、感想を言うのが難しい作家のひとり。
読み込み中...