アメリカの鱒釣り

17件の記録
- 清水美穂子@favoriteworks2025年5月3日読んでる借りてきたかつて読んだ@ 公園「老婦人は老犬を飼っていたが、これはもう犬とは呼べないような代物で、すっかりよぼよぼで、ぬいぐるみのように見えた」 公園で読むための本を持ってこなかったので、途中の図書館で借りて再読している。 ブローティガンな気分だったので。 「かれの作品をいくつか読むのなら、『アメリカの鱒釣り』から始めるのがいいと思う。また、もし、ブローティガンの作品はひとつだけしか読まないというのなら、『アメリカの鱒釣り』がいいと思う。『鱒釣り』には、ブローティガンのいいところが、まとめてつまっているように感じられるからだ」 と、翻訳者の藤本和子さんは書いている(この人の訳もエッセイも大好きだ)。 わたしは『西瓜糖の日々』がいいな。 そのあとに、柴田元幸さんの解説もついていて、 この文庫本、すごくいい。
- Lusna@Estrella2025年4月19日読み終わった解説にもあるが敗残者の救済は文面からも伝わってきた。訳が新しくなれば<アメリカの鱒釣りのちんちくりん>なども違う表現ができるだろうか。翻訳が難しそうな表現が多いけど、ブローティガンの世界観はよく伝わってくる。 解説の柴田元幸さんが文庫化してほしい小説として「百年の孤独」「見えない都市」と本書を挙げていたが、好みは「見えない都市」だな。
- ricochet@ricochet2025年4月11日読み終わった多分10年ぶりぐらいに再読。当時は西瓜糖の日々や芝生の復讐の方がセンチメンタルな美しさを感じて好きだったけど、アメリカの鱒釣りの奇妙にリアリティを感じるところもいいな、と思い直した。 それぞれのピースにどんな絵が描いてあるのか、それが世界のどこにはまるのかはよく分からないが、寄せ集められたピースは不思議に美しい光を放っている。 藤本和子訳の素晴らしさは言うまでもないけど、訳者あとがきがこれまた美しく面白く知見にあふれていて素晴らしい。
- izy@izy2025年4月11日かつて読んだ意味が意味を為さない。感想を書いても、自分のなかで印象を固定化できない。こいつは一体なにを言ってやがるんだ、と、笑い飛ばす読者の横にぽかりと奈落が空いているような小説。 幻想が真理であったってかまわないのだと思う。だって誰かの中で真理であるなら、それは否定のしようがない。何かを考えついてしまったことで、束の間の絶対が生じることもあるだろう。みんなが幻想に耽ったら、平和な世の中になるんじゃないか。イマジンはそういう歌ではなかったか。
- RIYO BOOKS@riyo_books2021年10月10日読み終わったいま『アメリカの鱒釣り』を読み直して、かつて以上に感じられるのは、アル中や失業者といった敗残者たちに対するブローティガンの優しい視線である。 ──柴田元幸