ムルムル
@murumuru
- 2026年6月5日
宇宙の孤児ロバート・A・ハインライン読み終わった科学における反証可能性の大切さを強く感じさせる作品だった。 優れた頭脳と柔軟な思考力を持つ主人公であっても、中世のような女性蔑視的価値観に疑いを持っていない姿は皮肉だが、意図的に描かれていると思う。生まれ持った世界の常識はそう簡単に取り外せないものであるというのを如実に表していると思った。 - 2026年5月28日
高い城の男フィリップ・キンドレッド・ディック,フィリップ・K・ディック,浅倉久志読み終わった役者あとがきからの引用になるが、この作品のテーマを一言で表すなら、「本物とまがいもの」であると思う。 たとえば間違い探しにおいて、「どちらが本物か」という判断は極めて恣意的なものになりうる。真作と贋作のあいだにも、物質的な差異はほとんど存在しない。そこにあるのは、歴史や文脈の違いだけである。 「イナゴ」と作中世界、本物の骨董品と偽物の骨董品。それらの区別に価値はない、と切り捨てるのは簡単だ。しかし、人間は本来、意味のないものに意味を見出す存在でもある。それは知的営みであり、同時に、強力な結束やモチベーションを産む。 チルダンが、何の変哲もないブローチに新しい文化の芽生えを見出し、それが俗な大量生産品へと堕していくことを拒んだ姿は、その象徴のように感じられた。 - 2026年5月25日
- 2026年5月23日
トータル・リコールフィリップ・キンドレッド・ディック,フィリップ・K・ディック,大森望,浅倉久志,深町眞理子読み終わった「マイノリティ・リポート」は個人的に好きなSF小説トップ3には入る。保身に走って愚行を犯す主人公が、真実を知って最後には腹を括るのがかっこいいと思った。 - 2026年5月21日
トータル・リコールフィリップ・キンドレッド・ディック,フィリップ・K・ディック,大森望,浅倉久志,深町眞理子読んでる「地球防衛軍」読了。 憎悪はいずれ摩耗し、世界は平和へ向かっていく――そんな希望を感じさせる作品だった。しかし同時に、現実はそこまで単純ではないのではないかとも感じた。たとえ貧困が解消されたとしても、人間の「他者を支配・制限したい」という欲求そのものには際限がないように思える。 また、機械が人間の制御を離れていくことへの恐ろしさも感じた。自然と科学の間を人間が媒介していた時代は終わりつつあり、機械が世界を直接解釈し学習する(強化学習)時代が到来しつつある。そうした現代において、機械を人間がどのように制御し続けるのか、改めて考え直す必要があると思った。 - 2026年5月21日
しあわせの理由グレッグ・イーガン,山岸真読み始めた「適切な愛」読了。 「アンガーマネジメント」に代表されるように、自分の理性と感情を切り離す、という技術は現代社会人の必須スキルであると思う。しかし、それは同時に自分のなかの大切なものを知らず知らずのうちに売り渡してしまう行為なのかもしれないと感じた。 - 2026年5月20日
- 2026年5月20日
1984ジョージ・オーウェル,田内志文かつて読んだ人間は自分の頭の中すら自由にすることはできないのだ、という無情さがこれでもかと伝わってきた作品だった。 だが、真に偏見のない中立な思考など不可能であるからこそ、自分たちはなるべく多くの情報を仕入れ、考え続けなければならないのだと思った。 - 2026年5月19日
月は無慈悲な夜の女王ロバートAハインライン,矢野徹読み終わった正直に言えば、自分にはかなり難解な作品で、内容を半分も理解できていないように感じた。 しかし、月と地球の環境差から生まれる格差の描写や、理論立てて革命を進めていく過程のアイデアには強く感心させられた。 全体としては、アナーキズムやリバタリアニズムの思想を通じて、「個人の自由を尊重すべきだ」という主張が語られているように思う。 その一方で、作中では情報統制によって民衆を誘導する描写もあり、「人間は愚かであり、賢い者が導かなければならない」というエリート主義的な姿勢も感じられた。 自由を掲げながら、同時に民衆操作を肯定しているようにも見える点には、ある種の皮肉さや矛盾を感じた。
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