なお
@nao_reading51
- 2026年1月10日
読み終わった時間という名の財産 セネカの『人生の短さについて』を読み終えた。哲学書というより、二千年前の自己啓発本という感じ。 「自分自身のために生きない人は、時間を無駄にしている」。 セネカは、忙しさそのものを問題にしていない。不治の病に侵され、残された時間がわずかだと知ってから慌てる人間の姿を引き合いに出しながら、彼が繰り返し批判するのは、自分の時間を自分で使っているつもりで、実は他人や状況に明け渡している生き方だ。多忙な人間の人生は短い。なぜなら、時間が足りないからではなく、時間が自分のものではないから。 あと、印象に残ったのは、娯楽についてのくだりだ。セネカは『イリアス』と『オデュッセイア』のどちらが先に書かれたかを延々と議論する人々を「愚か」だと切り捨てる。二千年前のローマ人も、今のネット民も、やってることは変わらない。自分の生と何の接点もないことに、人生の貴重な時間を差し出してしまう。 この本を、社会人になったばかりの頃に読んでいたら、一体どうだっただろう。当時の私は、がむしゃらに働き、その反動で土日はほとんどノープランだった。仕事終わりの一杯、週末の弾丸旅行。無計画にストレスを発散し、また月曜から走り出すって感じ。 それらが悪かったとは思わない。あの時期に多くの友人ができ、たくさん旅をしたからこそ、今の自分がある。旅先で、考えが深まった瞬間も確かにあった。 ……と、ここまで書いて気づいた。これ、セネカに怒られるやつだ。「結果的に良かった」という論法は、まさに事後的な正当化ではないか。 - 2026年1月5日
そして誰もゆとらなくなった朝井リョウ読み始めた
読み込み中...