
桜
@sakura_451
生まれは昭和、心は大正。文学少女のなれの果て。
- 2025年8月11日とにもかくにもごはん小野寺史宜読み終わった図書館で借りた子ども食堂に集う人たちのそれぞれの事情、縁が語られていく物語。『書店員は見た!』で紹介されていたのが気になって読んでみました。 章ごとに視点は変わるものの、一定の長さではなく、サラッと流される部分もあって「あ、もうこの語りは終わり?」となることも。 読者は俯瞰してそれぞれの生活の中の重なり部分が見えているだけなので、この後この人はどうなるのかな…と思う箇所がいくつかあるのだけれど、それはまぁ余韻というものなのでしょう。
- 2025年8月9日傲慢と善良辻村深月読み終わった図書館で借りた辻村作品、面白いし読み出すとグイグイ引き込まれるんだけど、とにかく精神的に削られるので読み始めるまでに気合いがいる。 今の私はもう何の縁もないまま終わるというところまできているので多少傍観できるのだけれど、30前後で読んだら更にキツかった気がする。 とにかく人間関係の描写がリアルで気持ち悪い(否定ではなく単なる感想)。 母親とか女友達の発言が気持ち悪すぎて、メインの歪な部分が上手くごまかされているというか、部屋の明かりとかインスタの自撮りとか、何か引っかかりつつ流していたところが2部で「あー、」と回収された感じ。 こういう話でヒロインの名前が『真実』なのは何かの皮肉なのかな…とも思ってみたり。 一応、ハッピーエンドっぽいけど、こいつらこれでこの先生きていくのかぁ…という思いと、まぁ小説だし、現実であっても私には何の関わりもないし…というモヤッとさが残った。
- 2025年7月13日キッチン「今日だけ」十三湊読み終わった図書館で借りた読み始めて舞台が同郷みたいな土地だったことにびっくりした(あまりこういう小説では出てこない…と思う) 曜日固定とかではなく、「1日だけお試し」でもできるシェアキッチンは知らなかったというか考えたことがなかったので(でもレンタルスペースのキッチン付きとかあるな)お仕事小説として興味深く面白かった。
- 2025年7月12日
- 2025年7月6日透明な夜の香り千早茜読み終わった図書館で借りた静謐な物語。依頼される香りはどちらかというとマニアックというか『匂い』であって、本人以外は理解できないものなのだけれど、読み手はどこか俯瞰して物語を眺めていて、心地良い距離感。 千早さんの作品はまださほど読んでないものの、私の中ではわりと好み、思ってたのとちょっと違った…など振り幅があって、好みな作品もラストで軽い失望があるので(批判や悪い意味ではなく、私個人の読みながらこうだといいな…というぼんやりとした希望がことごとく外れる)そもそもがこういう作風の方なんだなぁ、というのが今更のようにわかってきた印象。
- 2025年7月3日遥かに届くきみの聲大橋崇行読み終わった図書館で借りた私の学生時代には『朗読部』なるものはなかったし、他の学校ではあったのかどうかも知らないから(でもそもそも演劇部もなかったな…)活動から色々と新鮮で興味深かった。 中に朗読で取り上げられる本も主に知っている作品なので、そういう解釈で読み上げられるのか…と、『読書』とは違った視点があって、実際に聴いてみたくなる。 余談ながら、最初の方に出てきたわりとモテる感じの部長が結局のところ本編内容として影が薄かったので、あの前フリは何だったんだろう…と、ちょっと気になっている。
- 2025年6月21日摘み草の里 千光寺精進ごよみ五十嵐佳子読み終わった図書館で借りた女性たちが悩みを打ち明けに集う尼寺で振る舞われる、庵主の心づくしの精進料理。現代でも変わらない、親子や夫婦関係、介護、女性たちの苦しみが完全に解決するわけではないけれど、美味しいご飯に僅かでも救いと癒しがあるのがいい。 ただ最後の話に出てくるクズ男が最後までクズ過ぎて胸くそ悪い展開だったので、そこはちょっとモヤッとしている。個人的には死んでたらいいと思うけど、妻子は苦しみながら生きて行くのに、こいつだけ死んで逃げられるのもそれはそれで腹立つ…
- 2025年6月8日
- 2025年5月31日
- 2025年5月29日バニラな毎日賀十つばさ読み終わった図書館で借りたドラマは舞台が関西になって、関西弁でグイグイ来られる感じが嫌だったので「原作はこんなんじゃなかったはず…」と図書館で借りてみた。 結局ドラマの方はちゃんと観てなくて、家族が観ているときに部分的に眺めていただけだけど、物語としては小説の方が読みやすくて、個々の話はドラマの方がやや掘り下げていた印象(モンブランの回とか)。
- 2025年5月25日書店員は見た!森田めぐみ読み終わった図書館で借りたこんなふうに書店員さんと話したことはないし、どちらかというと話しかけられても嫌かな…とは思うけれど、自分に関わりのないところでのこういう話を聞くのは面白いなぁ、と。 エピソードの後にお薦め本が紹介されているのも、知っている本だとなるほどな〜と思ったり、知らない本だと次に読む本リストに加えたりと興味深い。 でもビブリオバトルの本を探しにきた人の話には、え、それわざわざ探しに来るんだ…という気持ち。自分の読了本の中から選ぶんじゃないんだ…新しく買った本がイマイチ好みじゃなかったらどうするんだろう。
- 2025年5月22日間借り鮨まさよ原宏一読み終わった図書館で借りたお店を移動していく話なので、それぞれの個人経営についての悩み等、なかなか深い話だった。 それとは別に、最初のスペイン料理店の話が夫の視点と妻の視点の違いに、何かTwitter(Xとは呼ばない)でこういうの見たことあるな…という気持ちに。片方の苦労話的なのを聞いてたら、配偶者から明かされる真実…というような。これは夫が人としてダメ過ぎだろ。
- 2025年5月21日喫茶とまり木で待ち合わせ沖田円読み終わった図書館で借りた喫茶店で少しずつリンクしていく人間関係が、読み手として「あ、あの人か!」となるのが楽しい。 手芸好きなので、2話目のハンドメイド作家さんの話は「わかるー」と混ざりたい気持ち。それにしても調理師もデザイナーも男性が幅をきかせてるのに、料理とか手芸する男の子がごちゃごちゃ言われるの何なんですかね? モヤッとした気持ちをゆるりとほどくような連作短編集。 最後の最後が「この視点で終わるのかー!」と何だか心憎い演出というか、その場の客のひとりになったような、メニューの陰でにんまりとしてしまうような素敵なラストシーンでした。
- 2025年5月21日
- 2025年5月18日さいわい住むと人のいう菰野江名読み終わった図書館で借りた大きな屋敷に住む老姉妹がほぼ同じ日に亡くなった。20年ごとに遡りながら紐解かれていく姉妹の人生…。 ミステリというわけでなく、ヒューマンドラマかな。会話の中で少し引っかかった部分が過去へ遡りながら、あぁこういうことだったのか…と腑に落ちていく物語。 内容は判らないまま、かなり絶賛評を見ましたが納得の一冊。 表立って全方位に薦めるとかではなく、自分の中に大切に残って、友人と書店を歩きながら「あ、この前読んだけど、この本良かったよ」と、そっと話題にしたくなる本。
- 2025年5月13日丘の上の洋食屋オリオン沖田円読み終わった図書館で借りた物語自体が作中のお店や料理と同じく丁寧に温かく紡がれていて、とても心地良い読了感。 登場人物はそれぞれ辛さや過酷な過去があったりもするし、同調してしまう経験もあるのだけれど、何というか私は読書にリアルな擬似過酷体験は求めていないので(なので社会派とかの黒企業小説はフィクションでも読みたくない)多少ご都合主義であろうが、穏やかな物語で癒されたい。 こちらは日常と非日常が程よく混じった素敵な物語だった。続編が出るようなので楽しみ。
- 2025年5月10日ホテル・カイザリン近藤史恵読み終わった図書館で借りたどれも『世にも奇妙な物語』とかでドラマ化しそうな、やや不穏な物語の短編集。 個人的に「未事故物件」はドラマで観てみたい。ちょっとコミカルな要素を入れて、不穏さとの強弱を映像で体感してみたい気がする。 ラストの「老いた犬のように」は、こういう人多いのでは…という気持ち悪さがリアルで印象的だった。実際のところ、どれが真実なのかも第三者には判らない話だと思うけれど、「悪気はなかった」とかで曖昧にされた被害者は多いと思うので、悪気があろうがなかろうが加害したのは事実だろ、という部分はリアルでも徹底してほしい。 物語として興味深かったのは『孤独の谷』。何度かページを戻って読み返してしまった。
- 2025年5月6日正体 (光文社文庫)染井為人読み終わった図書館で借りた映画は観ていないのだけれど、あらすじから気になったので原作の方を読んでみた。 前半から予想した真相は外れてしまったけれど、色々考えさせられる物語だった。嫌な後味ではないけれど、どうにもやるせない気持ちをやや引きずってしまう…。 こちらでの感想を見ていると、どうやら映画はラストが違うらしいので、そのうち映画の方も観てみたい。
- 2025年5月6日文庫旅館で待つ本は名取佐和子読み終わった図書館で借りたわりと最近よく読むホテルものというのか、ゲストに何らかの良い影響を与えて終わる連作短編みたいな感じかな〜と思ってたら、結構意外な着地点になっててびっくりした。友人に薦める系のものではなく、読書会とかで読んだ人と少し話をしてみたい…
- 2025年4月30日私が愛した余命探偵長月天音読み終わった図書館で借りたケーキが大好きなのに長期入院で禁食中の夫のため、洋菓子店で働く妻はお店で出会った『ちょっとした謎』を語り聞かせる…という、日常の謎×安楽椅子探偵もの(になるのかな?) タイトルから薄々察しているものの、でもひょっとして…と期待してしまう、切なく温かな物語でした。 謎としては最初の「とある『香り』を探しにお店に通う女の子」の話が好き。
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