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Hiroki
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@teenageskaz79
  • 2026年4月4日
    バリ山行
    バリ山行
    語り手が職場の日常から感じる不安を背景にして、厳しい山歩きに身を投じていく様子が描かれる。物語は中盤以降、不穏な空気に飲まれていき、その不穏な空気は「バリ」と呼ばれる山歩きを通してより強くなる。  テネシーで毎年開催されるバークレーマラソンと呼ばれる過酷なウルトラトレイルがあるが、道なき道を歩くという意味ではこの「バリ」も同じくらい過酷であり、だけど孤独と向き合うものであるように思う。 語り手が肺炎から回復して、ホームセンターで買ったアイテムを身につけて鏡のまえに立つと「妻鹿さんが立っていた」(149)と述べる場面は、語り手が反発していた存在に取り込まれてしまった、または同一化とでもいうようなもの、あるいは不在となった「妻鹿さん」の役割を引き継いだようにも読め、非常に印象的だった。  テクニック的な側面では漢字の使い方もとても好感を持って読んだ。
  • 2026年4月2日
    自分以外全員他人
    この作品は語り手が母親から告げられる「みんな自分のことしか考えてないのに」という一言に凝縮されている気がする。  終盤にかけて、どいつもこいつも……となっていく語り手こそがこの一言を体現する登場人物なのだが、文庫に付記されている作者との対談の中で町田康が「こういう理不尽な身勝手さがすごく人間らしくていい」と述べており、それがこの小説の面白いところだと思う。
  • 2026年2月25日
    戻れないけど、生きるのだ
    戻れないけど、生きるのだ
    清田隆之のエッセイを読んでいると辛くなることがこれまで多く、そういった感想を目にすることが著者本人も多いと「あとがき」で書いている。 今作良かったのは後半に掲載されていた二つのエッセイ「時間がかかったって、いいじゃないかーーケアの交換、「悩み」の持つ可能性」と「好きな男の姿を見るのは楽しい 好きな男について語るのも楽しい」。 後半は近年のNHK朝ドラの登場人物、『虎に翼』の轟の言葉について(ぼくはとらちゃんの父、直言と優三さんが好きなのだが)書かれているし、前半はお悩み相談、愚痴をこぼすことの可能性について再考している。
  • 2026年2月16日
    破局
    破局
    清田隆之『戻れないけど、生きるのだ 男らしさのゆくえ』の中で小説の技法的にも興味深いようなことが述べられていたので、一読。
  • 2026年1月29日
    なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない
    これは東畑開人が読者に寄り添ってくれるかのような気がする本。あとがきでも編集者との対話を通じてだいぶ書き直したとあったが、そのせいで優しいのかもしれない。 「他者は安全である。この感覚があるとき、僕らは安心して眠ることができます」(92) 「不純なポジティブ」そして「不純なネガティヴ」が私たちの精神に安定をもたらしてくれるのだろう。
  • 2026年1月23日
    往復書簡 ひとりになること 花をおくるよ
    植本一子と滝口悠生の往復書簡。往復書簡の良いところは、直接的なレスポンスがなくても、大きな意味の広がりがあることのような気がする。 滝口悠生が「書くというのは不思議だし、思い出すのも不思議で、思うようにコントロールできませんね。思い出す前と思い出したあとでは人生が変わってしまうし、書く前と書いたあとでもそう。」(148)と書いているがほんとうにそう。
  • 2026年1月20日
    百年と一日
    百年と一日
    猫がアパートの脇を横切って行く短編が良かった。全編通して、時間が立体的に描かれているよう。
  • 2026年1月11日
    作家とお風呂
    作家とお風呂
    2026年は1000年に一度の026(お風呂)の年(朝日新聞デジタルでも特集をしている)ということで、読んだ。島崎藤村のエッセイが良かったが、伊香保温泉を推している作家が多かった。堀辰雄は温泉嫌いと言いつつも、風呂への愛を書いていた。
  • 2026年1月11日
    BOOKSのんべえ お酒で味わう日本文学32選
    酒というテーマから日本文学史を振り返ったエッセイ集。巻末には日本における酒の受容史もまとめられている。 読みたくなった作品は時代順に上林暁『禁酒宣言』、草野心平『酒味酒菜』、佐藤正午『身の上話』、滝口悠生『茄子の輝き』、柴崎友香『春の庭』、町田康『しらふで生きる』。
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