こうしてイギリスから熊がいなくなりました

24件の記録
- flyingv.jp@flyingv2025年8月13日読み終わった夏休み、帰省した地元(札幌だけど山奥)にて読了。 最近の熊騒動より遙か前から、熊の存在はひっそりと私の生活の近くにあったので興味深く読む。 後ろ足で起立できる熊は、確かに擬人化されやすいのだろう。短編集の形をとりつつ相互に緩やかに繋がる物語は、冷たい部屋で熱にうなされたときにみる夢のように、合理性がないままに心地よい。 解説で酉島氏が言及しているように、『サーカスの熊』の挿絵(文庫本の表紙の絵)が秀逸。人と熊の関係を端的に表しているように思う。
- gato@wonderword2025年7月18日読み終わった神話から英雄譚、そして文字通り社会の底辺の噂話へと移り変わってゆく熊たちの物語。イングランドでは熊が11世紀に絶滅したという事実にびっくり。小説と同じくらい挿絵がよかった。
- 𝕥𝕦𝕞𝕦𝕘𝕦@tumugu2025年3月12日読み終わった1年ほど前に読了。原題は『Bears of England』、邦訳の題が秀逸。 タイトルにあるとおり、イギリスからなぜ熊がいなくなったのか(実際にイギリスには人間の手によって狩り尽くされたため、野生の熊はいないらしい)を怪奇と幻想を混えて描いた8本の話が収録されている。寓話のような雰囲気だが、ほっこりする話はない。 熊という存在をときには畏れの対象として、ときには人間の罪を喰ってくれる存在として、ときには虐げるさまを娯楽の対象として扱う人間の身勝手さが淡々とした筆致で綴られる。 熊を下級労働者として描いている話もあり、マイノリティのメタファーにも思えた。 訳者の田内志文氏によるあとがきと、酉島伝法氏による解説も含めておもしろく読んだ。