恋愛社会学

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- amy@note_15812025年3月11日読み終わった感想@ 自宅読みました。おもしろかった。恋愛をめぐって生じている様々な社会的問題を歴史的記述や量的・質的調査、そして多様な事例から読み解いている、恋愛社会学のとりあえずの入門書。恋愛や結婚などがどう社会に影響しているのか、また社会が恋愛や結婚にどう影響しているのかが様々な切り口から書かれている。 特に興味深かったのは『恋愛』とは身体・感情レベルの個人的な現象であり、『結婚』は社会制度であり、個人と社会でそもそもの概念に齟齬が生じている。それを社会に位置づけるための制度として『恋愛と結婚の結合戦略』が行われてきたという。 これは私も以前からそう思っていて、恋愛というものは個人によって内実に差がありバリエーションに富んでいて、ごくプライベートなことであるのに対し、結婚は書類を書いて市役所に持っていって、それを認めてもらうという手順を踏んで国からの許可が必要であることだ。なんでいきなりお前(国)がでてくるんだよ!と思っていたけど、なるほど社会にとってそこをセットにしたほうが都合がいいからという身も蓋もないことが書かれていて苦笑した また見合い結婚と恋愛結婚の違いについても私にとっては新しい知見があった。恋愛結婚だとしても本人の自由意志で選んだつもりの相手が親の意に沿う相手と同じ傾向にあるのが実際であり、それは親の基準を内面化して相手を自発的に選択したというプロセスを恋愛結婚と呼んでいるに過ぎないということであった これらの他にも社会における恋愛のことを様々な角度から紐解いており、いずれも興味深く読んだ。編者も言っているように本書は「さしあたりの決定版」ということなので今後改定や更新、また続刊などもしてほしいと思う