11の物語
18件の記録
ぎい@untermrad_07022026年8月9日短編集再読済表紙のデザインがよい。 ポップなぐるぐるの水玉模様、と思ってよく見ると、かたつむりがいっぱい……。 読む前に見るとかわいいんだけど、 収録作の「かたつむり観察者」を読んだ後だと、不気味さがじわじわくる……。 作者がかたつむりの観察を趣味としていたそうで、 そのせいか、妙にかたつむりのディテールの細かいのが、作品の気味悪さにつながっているなぁ。 収録作はどれも、行間から不穏さがにじみ出てくるようなものばかりで、 読み終わった後に残るいやな味、 口の中に異物が残っている感じというか、 得体の知れない物を飲み込んでしまった後の、不安感が後を引く感じというか……。 読者が読み終わった後にも、 作中の登場人物たちには、逃げようのないいやな出来事が、しつこくまとわりついて決して終わることはないんだろうな、 と想像してしまう余韻のあるのが、すごくいやですごくよい。 「愛の叫び」のハッティーとアリスの関係とか、 「野蛮人たち」のスタンリーの行動にすごくシンパシーを感じる。 一番好きなのは「ヒロイン」かな。 ルシールの過去の詳細は想像するしかないけれど、 自分の居場所を守るためなのか、人から必要とされ、不可欠な存在となりたいためか、 追い詰められて、逸脱した行動を取ってしまう狂気が哀れで好き。

Marua@marua2025年12月21日家出してきた姪っ子が言った「ヴィクターみたいになっちゃうかも」の意味がようやくわかった。 トイレ掃除を生業にしている主人公の男性。ある日突然姪っ子がアパートにやってきて何日か居着く。ドライバー付きの車で妹が娘を迎えに来た場面で、家に帰りたくない姪っ子が主人公に必死に伝えた言葉だ。 短篇『すっぽん』で描かれる親子関係と物騒な結末は、現代の日本でも起こりそうなことで、でも主人公は「ダメ、ダメ。そんなこと言っちゃダメだ」と温厚に諭してゆるやかに流す。「いつでも来ていいから」と言ってあげたが、それを支えにあの姪っ子は何とか現状を乗り切っていけるのだろうか。



Marua@marua2025年11月8日『PERFECT DAYS』を久しぶりに観て急に読んでみたくなり、図書館から借りてきた。 平山さんがいつも行く古本屋の店員が「不安と恐怖は別のものだとパトリシア・ハイスミスから教わった」というようなことを言っていた。こうやって手短に本について伝えてくれる店員がいたら、それを目当てにその店に通うだろうな。別の日には「幸田文はもっと評価されていい作家よね」とも。 今回カメラ店の店主が柴田元幸さんであることに初めて気づいた。店番をしながら読んでいた本の題名はわからず(City ofの先が読めなかった)。



















