文庫 少年の日の思い出
19件の記録
ノエタロス@Di_Noel022026年2月2日読み終わった教科書の方(高橋健二訳)のあの名台詞「そうかそうか、つまり君はそういうやつだったんだな」が、この本(岡田朝雄訳)では、「そう、そう、きみってそういう人なの?」となっていた。 個人的には、高橋訳の「そうかそうか」の方が好み。 「そう、そう」だと、エーミールの鼻につく優等生ぶりが薄れるというか、ちょっと淡白に聴こえる。 とはいえ現在教科書に載っている訳は、岡田さんが元々の高橋さんの翻訳に修正案を出したものなので、両者ともにヘッセの作品を日本に広めた功労者だ。 タイトルも、もとは”Das Nachtpfauenauge”(クジャクヤママユ)だそうだが、新聞の連載に載せる際に”Jugendgedenken”(直訳は「青春の思い出」)へと、ヘッセ本人が変えたようだ。 やはり後者の方が良いと思う。 甘美な響きの題が、蓋を開けてみれば、優等生の標本を、そして自身の憧れだった蛾を台無しにしてしまったという苦々しい記憶……というギャップが好き。 ほんの出来心で犯してしまった子ども時代の罪と、大人になったいまも忘れられない後悔と胸の痛み。 主人公と同じように、僕もきっと一生忘れることができない。






















