火山列島の思想 (講談社学術文庫)

火山列島の思想 (講談社学術文庫)
火山列島の思想 (講談社学術文庫)
益田勝実
講談社
2015年11月10日
7件の記録
  • ゑでる
    @edl_
    2026年4月8日
  • arctic
    arctic
    @arctic
    2026年3月16日
    「純愛がすなわち殺人でしかない古代宮廷社会の構造の中で、その悲しい出生の事情にそむいて、悲恋の子は光り輝いていた」 光源氏の説明文が、あまりにも美しくてくらくらした。 源氏物語の考察において、摂政期の聖別された天皇とはどういう在り方だったのか言及されている部分がいくつかあり、どれも興味深かったので引用する。 「その門外わずか二丈のところへ出るにしても、宝剣と神璽の筥を捧げた内侍らが前と後を進み、天皇は剣と玉に挟まれて行幸するのでなければならない。自分を神聖化しているシンボルから離れることができない──それが天皇であった。」 「地面を踏ませないために、天皇の前に筵道をひろげ、後からすぐに巻き立てて、何人にもそれを踏ませないようにする特殊な方法で后の御殿にやってくる天皇。」 「適切な愛の分配機関として、摂関・大臣家に対して外戚たりうる機会を閉ざさない帝徳を持たねばならない──摂関政治期の天皇に要求されている主要な人格的要件のひとつは、これであった。」 地面を踏ませないために〜の部分で、金枝篇に出てくる『地面に足をついたせいで退位させられたミカド』を思い出した。 むかし、金枝篇を読んだ直後、ほんとにそんな天皇いたのかよ!?と思って調べたことがあった。結局判明せず、安楽椅子社会学者の戯れ事かと思ったが、もしかするとフレイザーはこのことを言っていたんだろうかね。 『悪文の構造』で数少ない良い例として引用されたのも納得の、非常に読みやすく分かりやすい文章だった。書かれた時代を考えると、読むのにもっと大変な思いをしてもおかしくなかったが、全然そんなことなかった。
  • arctic
    arctic
    @arctic
    2026年3月15日
    奥多摩の月夜見山を登りながら、 〈……ツキヨミ、……万葉時代には、月のことがツキヨミだった。だから、月夜見なんて字で書くが、ほんとうは《月の山》という名じゃな。アフリカにある山のようだ。……すると、この山は西側の村に顔を向けていた山だな。西の方の人が永年望み見てきた山だ。……〉 〈死んだ妻イザナミを慕って黄泉国へ行ったイザナキが、追われて逃げ帰り、海へ入ってみそぎする。その時、左の眼を洗うと、アマテラスが生まれ、右の眼を洗うと、ツキヨミが生まれた。  ……だが、ほんとうは、ツキヨミは月神そのものなんかじゃないはずだ。ヨミは「鯖を読むな」の「読む」で数えることのはず。月を数える神──神じゃない月齢視測者だ。月を祭る人のことじゃないか。ひとりじゃない、……一族だろう〉 民俗学者は、こんなこと考えてるワケ!!?!!??!?おもしれー男すぎるだろうが…… そしてここから、ツキヨミと同じく職能神と思われるコトシロヌシの、さらには古出雲の敗北譚にまつわる考察が始まる。 万葉集の引用とかガンガンあるんだけど、引用直後の現代語による意訳】が丁寧に差し込まれており、優しさに泣ける。 なんせ国史の本は古文読めないやつには人権が無いからね、古文引用したあとに誰も現代語訳なんて書いてくれてないからね。 こんなに優しくしてもらったら、学生時代に挫折したままの古文を今度こそやり直したくなっちゃうな〜 61%読了。
  • arctic
    arctic
    @arctic
    2026年3月13日
    記紀神話の、神が次々生まれて名前が延々列挙される部分は、神々の名の列挙そのものが農耕に関わる物語の展開である、っていう指摘がめちゃ面白かった。 確かに、あの果てしない神名列挙の部分って死ぬほど読み難いんだよな。うんざりする。頭にまったく入ってこない。 それと同時に、ここで出てくる神名ってあんまり固有名詞的じゃないな、とも思ってた。 確か田中克彦の『名前と人間』だった気がするけど、固有名詞は言葉の意味を失ってはじめて固有名詞になる、みたいな話を読んだことがある。 たとえば「高田さん」の名前の由来は、おそらく高い場所にある田んぼだろうが、今では「高田さん」と「高い田んぼ」にはなんにも現実的な関連がない。「高田さん」という固有名詞から、「高い田んぼ」という意味はすでに失われている。 でも、記紀神話に出てくる神様の名前って、ニニギとかコノハナサクヤヒメとか、妙に名前の意味が強い。きっと私が知らないだけで、どの神様も古いやまと言葉でちゃんと意味のある名前なんだろうなと思う。 実際そういうことらしい。神々の名の列挙によって、農耕の経過や祭りの存在を示している。古代にはそうした語りの手法があった、と本書は述べている。 記紀神話にまつわる本は何年もかけて色々読んできたけど、今、生まれて初めて、記紀神話の読み方を教わった気がした。 19%読了。
  • arctic
    arctic
    @arctic
    2026年3月12日
    最近読み終えた『悪文の構造』で、良文として紹介されていた数少ないサンプルのひとつだったので、気になって読み始めた。 平安時代って現代と比べれば、国家公務員として陰陽師がいて、夜には都に鵺が出て、菅原道真のたたりに怯えて、めちゃ霊的な世界って感じあるでしょ。 少なくとも私はそう思ってた。 でも著者は、より古い風土記と比べて、「平安期のかなもじの物語は、神々を見失った者たちの根のないフィクションにすぎない」って言い切ってる。そういう比較もありえるんだって、今まで考えたこともなくてびっくりした。 確かに風土記では、神を伝説とか幻想じゃなくて、体感しうる事実として扱ってるわけだから、平安貴族の見てる世界とは全然次元が違うよね。 現代から見れば、風土記世界も平安時代もどっちもはるかに霊的な世界だけど、その質はふたつともまったく違うっていう話。 レヴィ・ストロースがレヴィ・ストラウスと記述されており、エモい。 7%まで読んだ。
  • unezo
    @unezo
    2025年3月21日
    Readsで紹介している方がおり気になって図書館で借りて来た。古文の引用が多く、私にはなかなかスッとは読めない。 ただ、表四の解説に「日本古代文学研究史上の記念碑的作品にして、無二の名著。」と書かれており、期待が高まる。
  • かやの
    かやの
    @mai_books11
    2025年3月18日
    むちゃくちゃ面白いです。 論文なのにこんなに引き込まれてこんなに文章が上手いなんて。 尊敬してるし憧れます。
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