大人の友情

14件の記録
- 読書猫@YYG_32025年6月8日読み終わった(本文抜粋) "友人とは、「夜中の十二時に、自動車のトランクに死体をいれて持ってきて、どうしようかと言ったとき、黙って話に乗ってくれる人だ」" "人間はなかなか一人では生きられない。孤独は恐ろしい。自分の存在を認めてくれる人がいることで、人間はどれほど安定しておられるかわからない。" "非常に割り切った言い方をすると、類似性の高さは関係の維持に役立ち、相反性の高さは、関係の発展のために役立つ、ということになるだろう。" "ヨーロッパの中世に生まれたロマンチック・ラブでは、男女が性的に結ばれることは禁じられていた。あくまでも合一したい、という強い願いをもちつつも、それが禁じられていることによる苦しみによって、心が鍛えられ、人格が磨かれる、というのがその根本であった。そこには、隠された宗教性がある、と言っても良かった。至高の幸福は、断念によってこそ支えられる、という知恵があった。" "「秘密」は人間を個別化するための大切な要素である。"
- 沼門@swam6982025年3月13日読み終わった@ 図書館面白くて最初から最後まで熟読してしまった。友人関係から恋愛関係、異性同性問わず、あらゆる人間関係への物凄い示唆に富んでいる。私自身のカウンセリングにもなったし、これはあんまり想定されてる読み方じゃないかもしれないけど創作上の関係性を考える上でもかなり参考になった。 河合隼雄さんの本は学生時代に大学の図書館で初めて手に取って読んでからずっと大好き。読みやすいし面白いし、あまりにも「核」の話をしてくれる。 少し前に亡くなったのを知っている。まだ存命中に書かれた(当然だけど)本文中の「友人の死」の章が心を打った。 河合先生の友人が一度死にかけた時に「大丈夫、大丈夫」と言って、周りは不思議に思ったが、本人の意識はその時見事な満開の桜吹雪の下を歩いていて、これなら一人でゆける、というので「大丈夫、大丈夫」と言っていた、このようにして一人でちゃんとあちらにゆけるのだから大丈夫という気があったようだと。その後しばらくしてその方は亡くなってしまい、悲しくはあったが、その人の「大丈夫」という声が聞こえてくるような感じがあった。あちらに行くとその人が待っていて下さっていて「ねっ、凄い花吹雪だったでしょう」などと言われる光景を想像する、これは願望に満ちたもので実際となるとどうなるかあまり自信はない。死ぬのは怖い、しかしよき友を持ったお陰でその感じは少しずつ変化しているようだ。有難いことである。 …という話。2004年の出版だけど、その後先生の死への怖さはどうなっていたんだろう。桜吹雪は見れたんだろうか。見れてたらいいなと思った、私の場合は別に全然友達というわけではないけど。