大人の友情

13件の記録
- 沼門@swam6982025年3月13日読み終わった@ 図書館面白くて最初から最後まで熟読してしまった。友人関係から恋愛関係、異性同性問わず、あらゆる人間関係への物凄い示唆に富んでいる。私自身のカウンセリングにもなったし、これはあんまり想定されてる読み方じゃないかもしれないけど創作上の関係性を考える上でもかなり参考になった。 河合隼雄さんの本は学生時代に大学の図書館で初めて手に取って読んでからずっと大好き。読みやすいし面白いし、あまりにも「核」の話をしてくれる。 少し前に亡くなったのを知っている。まだ存命中に書かれた(当然だけど)本文中の「友人の死」の章が心を打った。 河合先生の友人が一度死にかけた時に「大丈夫、大丈夫」と言って、周りは不思議に思ったが、本人の意識はその時見事な満開の桜吹雪の下を歩いていて、これなら一人でゆける、というので「大丈夫、大丈夫」と言っていた、このようにして一人でちゃんとあちらにゆけるのだから大丈夫という気があったようだと。その後しばらくしてその方は亡くなってしまい、悲しくはあったが、その人の「大丈夫」という声が聞こえてくるような感じがあった。あちらに行くとその人が待っていて下さっていて「ねっ、凄い花吹雪だったでしょう」などと言われる光景を想像する、これは願望に満ちたもので実際となるとどうなるかあまり自信はない。死ぬのは怖い、しかしよき友を持ったお陰でその感じは少しずつ変化しているようだ。有難いことである。 …という話。2004年の出版だけど、その後先生の死への怖さはどうなっていたんだろう。桜吹雪は見れたんだろうか。見れてたらいいなと思った、私の場合は別に全然友達というわけではないけど。