レキシントンの幽霊
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itshin@it_shine2026年5月21日読み終わった『トニー滝谷』だけとりあえず読んだ。映画を観たので衝動買いしたけれど。 映画の中で、モノローグになっている途中で、役者がセリフを喋るのが印象的になっていて、そういうのは、原作にはもちろんなくて。でも、読んでよかった。今、読むべき本だったし、観るべき映画だった。なんでだろう。何かの生きる指針になっているような気がする。




- 驚き桃の木山椒の木@momo81book2026年5月10日読み終わった短編集。タイトルの『レキシントンの幽霊』の話が大好きで何度も読んでいるが、その後の話をあまり覚えておらず、4Kリマスター版で映画公開中の『トニー滝谷』を観るため、また読んだ。
活字畑でつかまえて@catcher-in-the-eye2026年4月20日読み終わった『レキシントンの幽霊』 いい短編だな。 すらっと読めるのに深い読後感。 さすが短編の名手である。 この作品はちょっと言葉にできないな。 ただ感じた方がいいし感じたままがいい。 眠りは言葉を超えているし言葉なんて寄せ付けないから。 ただ眠ることで死者と一体になる。 「つまりある種のものごとは、別のかたちをとるんだ。それは別のかたちをとらずにはいられないんだ。」 『緑色の獣』 これもいい短編だな。 土の中の深い深い所からプロポーズしにやってきた緑色の獣。 緑色の獣が鼻の先を細くして鍵穴に突っ込み、ドアの鍵を開ける所はふつうにこわい。 獣はプロポーズをしにきたのだが 勝手に鍵を開けてしまっては人間の世界では犯罪行為でありストーカーである。 主人公は獣がとても傷つきやすい出来たてのマシュマロのような心を持っていると分かった途端、残虐性が爆発し歯止めがきかなくなる。 本当の獣はどちらなのか 考えさせられる。 『沈黙』 傑作中の傑作。 大沢さん。いいな。 「忘れたいものは忘れられないんです」 自分にとっての青木を思わずにいはいられない作品だ。 そして フィッツジェラルドの『グレート•ギャツビー』で ギャツビーの死後、ニック•キャラウェイが 道でバッタリ会ったブキャナン夫妻に感じる嫌悪と あまりにも子供じみた「不注意な人間」がもたらす害悪を描いた場面を想起させる。 大沢さんがいうように そんな子供じみた不注意な人間たちに 「負けるわけにはいかない」 「人生そのものに負けるわけにはいかない」し 「自分が軽蔑し侮辱するものに簡単に押し潰されるわけにはいかない」んだということに尽きる。 凄まじい作品だ。 『氷男』 詩的でいい作品だ。 まるで氷男のようにつかめない作品だ。 決定的な一言というものがある。 その場が凍りついてしまう一言が。 その相手を凍りつかせてしまう一言が。 発した言葉は取り返しがつかない。 氷山のように聳え立つ。 我々は自らがめぐらせた氷の世界で生きていくしかないのか。 『トニー滝谷』 どうしたらこんなに流麗な文章が書けるんだろうな。 淀みない文章の極致。 『七番目の男』 ちょっと宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』っぽいかなと思ったけど、やっぱりちがうかも。 凄まじい表現力をもった短編だ。 「波は音もなく、何の気配もなく、そのなめらかな舌先を私たちのすぐ足もとにまでこっそりと延ばしていました。」 「波は向きを転じ、荒くれた叫びを残しながら、全速力で沖に向かって引いていくところでした。まるで地の果てで誰かが巨大な絨毯を思いきり引っ張ったみたいに見えました。」 こんな表現が可能なんだな。すごい。 『めきらやなぎと、眠る女』 オリジナル「めくらやなぎと眠る女」に手を入れ原稿量を約4割減らした改訂作品。 バスに居合わせ老人たちの不気味さがなくなってしまっているのが残念だ。 病院の食堂で無意識に灰皿の中で 砂糖とミルクを吸殻で泥のように混ぜる描写もなくっている。あれがよかったのに! たしかにオリジナルの方は タイトルにめきらやなぎが入っているのに 他のエピソードが粒揃いすぎて奥に引っ込んでしまっている印象があった。 そのタイトルである必然性が感じられなかった。 しかし改訂版の方だと このタイトルであることに納得がいく。 だが、やはりオリジナルに比べると作品の魅力が劣ってしまっている。 めくらやなぎは『星の王子さま』の バオバブの木のようだと思った。 まさに村上春樹的というか 人は怠ってきたこと遠回しにしてきたこと逃げてきたことといずれ向き合うことになるし それは取り返しのつかない事態を引き起こし 決定的に自分を、いや大切な人を 損なってしまうかもしれないということ。
サカキ@sakaki08252026年4月8日映画を観た読み直したリバイバル上映を観たので、トニー滝谷を読み直し。 親子であること、夫婦になることを経て初めて孤独を恐怖するというところで、本当の意味での孤独というものを考えさせられる。 いい意味で多くを語らない作品なので、その余白を含めてとても好きな短編だと再認識。 「孤独ではないということは、彼にとっていささか奇妙な状態であった。孤独でなくなったことによって、もう一度孤独になったらどうしようという恐怖につきまとわれることになったからだ」




鷲津@Washizu_m2026年4月8日わたしの本棚「孤独」 本の書き込みより 『孤独ではないということは、彼にとっていささか奇妙な状況であった。孤独でなくなったことによって、もう一度孤独になったらどうしようという恐怖につきまとわれることになったからだ。』 〜トニー滝谷〜 『孤独とは、単に他者から疎外された状態をいうのではない。私たちは人のなかにあるときにいっそう、孤独を感じることがある。』 〜「悲しみの秘儀」若松英輔〜 大切な人との出会いがあってこそ、失いたくないが故の「孤独」を初めて学ぶことになる。それは悲しいことではなく、人生において必要な糧ではないのか 『でも僕が本当に怖いと思うのは、青木のような人間の言いぶんを無批判に受け入れて、そのまま信じてしまう連中です。自分では何も生み出さず、何も理解していないくせに、口当りの良い、受け入れやすい他人の意見に踊らされて集団で行動する連中です。』 〜沈黙〜 『彼らを最も苦しめたのは、ひょっとすると、一定のストーリーを持った音だったのかも知れない。「みんなひとつに」「がんばろうニッポン」「絆」といったスローガンや、煽るような歌や音楽が、大切な人の発する微かな声や音を津波のように掻き消してしまうのではないか、そんな恐怖に脅えていた人々がいたかも知れないし、今もいるかも知れない。』 〜「生きていくうえで、かけがえのないこと」吉村萬壱〜 大切な人の喪失、悲しみは耐え難いものがある。でもそれ以上に耐え難いのは、騒音にも似た綺麗事の合唱、外野の声だった。その声が悲しみの灯火をかき消し、孤独に苛まされることになるのが、能天気に声を発する人たちには分からないのだろうか 『氷には未来というものはないからです。そこにはただ過去がしっかりと封じ込められているだけです。すべてのものはまるで生きているみたいに鮮明にそこに封じこめられているんです。』 〜氷男〜 『これはもうみんな終わってしまったことなのだ、と彼は思った。もう何をしたところで、全ては終わってしまったのだ。』 『しかし年月がたつにつれて、彼はかつてそこにあったものを思い出すことができなくなっていった。その色や匂いの記憶もいつしか消えてしまった。そしてかつて抱いたあの鮮やかな感情さえもが、記憶の領域の外へとあとずさりするように退いていった。』 〜トニー滝谷〜 トニー滝谷は妻の服を処分すべきではなかった。自らの手で思い出の氷を溶かし、全てを終わりにしたことで、彼は永遠に孤独になった。この先、彼に救いはない 『祈ることと、願うことは違う。願うとは、自らが欲することを何者かに訴えることだが、祈るとは、むしろ、その何者かの声を聞くことのように思われる。』 『孤独は、悲嘆に始まる経験であると同時に、それは生きる力をもたらし、深みから私たちの人生を祝福するというのである。』 〜「悲しみの秘儀」若松英輔〜 孤独は祈ることで救済される 大切な人と自らの対話が、救いの第一歩となる
波@namireads2026年4月5日映画を観て@ 大阪城公園ひとりぼっちだったトニー滝谷は人と深く関わることができない。風のように洋服を纏う妻に出会ってはじめて失うことを、孤独になることを怖れる。 映画はわずかに希望を残すような終わり方でした。村上春樹さんの小説はいつも風が吹いてる
アーモンド@pakupakubun2026年1月2日読んでる東京奇譚集を読み終えたので、ひっぱり出してきた。 本棚の奥ですっかり黄ばんでいて、そんなに昔の本だったかな。 何度か読んだはずなのに、こんな描写あったかな、と思うこと多々。あらすじは覚えていても、引っかかるところは毎回違う。そこが再読の良いところ。

monami@kiroku_library2025年6月10日読み終わった聴き終わった『トニー滝谷』を聴いている時、以前この本を借りて読んだ時の記憶が蘇った。 (わたしは読んだ本と、どこかの場所がよく記憶の中で結びつくのだ。) そのためか私の中では、なんの変哲もない図書館帰りの坂道が、作中の亡くなった妻のクローゼットと分かち難く結びついている。『ねじまき鳥クロニクル』でもこの感覚は少し過ぎったけれど、こちらの方が鮮明。 不思議な気持ちだった。 一人称が女性の話は門脇麦さんが、男性の話は滝藤賢一さんが朗読。リアリティがあって良い。 他に印象に残ったこと。 『緑色の獣』で表現される、歪んだ鏡を覗き込んだような女性の冷酷さ。どこか『騎士団長殺し』を連想させる『レキシントンの幽霊』。




monami@kiroku_library2025年6月6日読み始めた聴き始めたAudibleで村上春樹を聴くのにすっかりハマってしまった。もはや中毒レベル。 こちらも再読。大学一年生の時に読んだはずだけど中身はあまりおぼえていない。でもこれはかなり好きな纏まり方だなと思った記憶がある。 中学生の時全集で読んだ作品も入っていたから、その時も初読感はあまりなかった。






yayano@yaya72025年2月18日読み終わった再読20年ぶりの再読。短編集。 村上春樹と吉本ばななは私の原点(あと手塚治虫とF先生)なのでたまに読み返すのだけど、この作品は初めて読んだ印象が薄く、評判の意味がよくわからなかった。しかしいま読むととても丁寧でおもしろい。なにより文章がうまくて、紙の上で踊るように読める。もっと浸りたいぞ。 庭の地中から現れる獣と、住人の女性が対峙する「緑色の獣」は、いまこそ読まれて欲しい。高校生の頃は「は?当然だろ何いってんの」と思っていたことが、社会にずぶずぶに浸かったいまなら「そうそうそうなんだよ春樹ー!」とがっつり握手を求めたくなる感じ。女性の残忍さが描かれる。 「氷男」の他者との計り知れない距離感、「トニー滝谷」の都市の暮らしでの、また大波の描写が圧巻である「七番目の男」の、それぞれの絶対的な孤独にも痺れる。また何年か後にも再読したい。






















































