ビルバオーニューヨークービルバオ
10件の記録
蒼凍星@ClarideKieferBurgin2026年2月15日P 8 診察室から出たとき、母は何と声をかけてよいかわからなかった。長い沈黙のあと、バスに乗って帰りましょうか、と祖父に尋ねた。彼は首を振った。 「まだ家には戻らないよ。今日はビルバオで過ごそう。見せたいものがあるんだ」と祖父は言い、微笑んでみせようとした。 祖父は母をビルバオ美術館へ連れていった。母はけっしてその日を忘れないだろう。祖父が、死にかけていると告げられたまさにその日、美術館に連れていってくれたことを。美は死を超越して生き続けるのだと、むなしくも伝えようとしてくれたことを。そのあまりにつらい日の別の思い出を、母が胸にしまっておけるようにと努めてくれたことを。そうした祖父の思いやりを、母は一生忘れることがないだろう。 彼女が美術館に足を踏み入れたのは、それが初めてだった。 誤ってポストを削除してしまった。 無意識的に消してしまったような気がする。 深い心の傷は、思ったより深いのかもしれない。 その傷をそっと手当てしてくれた、この本のこの冒頭部分。 繰り返し読み過ぎて、すでに自分の記憶の一部として取り込んでしまったように思う。 記憶を振り返るとき、裂傷の痕跡を思い出すより先に、これからはこの物語が私を護ってくれる。 聴きすぎた歌の歌詞、見過ぎた映画のワンシーン、読み過ぎた本の一部分。私のなかで、それらはどれもパッチとして機能している。 父はよく、”股引”のことを「パッチ」と呼んでいたけれども。 どうでもいいような日常の風景は、なくなってみて初めてどうでもよくはなくなる。失ってみなければ、気付けないものなのだろうか。
kasa@tool2025年4月26日かつて読んだすーっと物語に入り込めてバスク出身である著者を身近に感じた。 飛行機のフライト画面の昼夜と自分の内面をリンクさせた場面が好き。 「たとえば、父親になるということ。僕にとって、その大陸はこれまで暗闇に包まれていた。」


アマヤドリ@amayadori2025年3月25日読み終わった@ ニューヨーク読んで良かった。とてもよかったのでこの著者の最新作も読みたくなった。 この本を読んだことを、フランコ政権下でばらばらになった家族の話をしてくれた友人に話してみようかな、という気持ちになった。



アマヤドリ@amayadori2025年3月22日読んでる@ ニューヨーク今日はNYに明かりを灯しつつ読みます。 (このフヅクエ時間が好きなのでこのアプリの中で灯りを共有できたらちょっと嬉しい……) https://fuzkue.com/fuzkuehour?no=606450240











