共に明るい
29件の記録
ばるーん@ballo____on2026年2月15日読んでる「池の中の」も素晴らしかった。 全編において自然と人工が深く関わっている。細かな認識がやはり光っているのに、小説全体としてすごく面白い。 本作はある出来事をきっかけに初めましての雑談からは想像だにしなかったものが語り出され、それが誰の傷をも形あるものに閉じ込めてしまわない実感を伴い共振する。内と外、有機物と無機物、登場人物と読者の傷や空洞が交換される。
ばるーん@ballo____on2026年2月14日読んでる「素晴らしく幸福で豊かな」を読んだ。 全編に漂う否定感が印象深い。「ナミビアの砂漠」を想起した。日常や人間関係を描く小説には必須の細部があまりにも光りすぎているし、それが小説の完成度を押し上げている。常識も狂気もユーモアもアイロニーをかきまぜて動物の生と死の周辺が描かれていた。
ばるーん@ballo____on2026年1月27日読んでる「野鳥園」もよかった。二つの家族の子と母の雑談の一回性(関係は続くけれど)。エレクトーン。ごく小さな、ささやかな慎み深い群れの話だと思った。良い意味の人工、仮の居場所的な。
ばるーん@ballo____on2026年1月25日読み始めた読んでる表題を読んだ。 「私今からつらい話をしますね」と早朝のバスの車内に向かって一方的に語り出す女と同乗した複数人のそれぞれの認識が描かれる。 うつ伏せにして圧迫しながらでないと溢れ出すもの、その語りがバスの移動とともに、空間の内外の風景、カーテンと身体の境目を共にしていく。 境目から産まれた息子の失った指の境目の「遠目からだと、少し歪んで膨らむ直線」――欠を補うそれぞれの生が持つ境目は、「共に(痛くて)明るい」。 トンネルの端に置き去りにされている大きなもの。風で花が枝から逃げようとする。虹色のカーテン。併走する赤紫色の軽自動車。イオン……。 小説全体のトーンが、溢れて出そうなものを抑えて、それでもなお滲む何かで貫かれている。 一方的な他者の痛みに風景のように寄り添えるか。というお話だったと思う。 最後にすごい一文。 「座席のすみずみまでとはいかないが、くい込むように陽が当たりみんな、何て明るい。」


it_shine@it_shine2025年5月15日読み終わったスケッチするように、起こった出来事を書いていっているかのように。でもたぶん、それはぼくの見通し違いで、物語でしかたぶんなくて。そして、それこそが小説なんだと思う。本気で嘘をつくってこと。それで構わないって、思うし。そういうのが表現なんだ、って思うから。表現と内容が一致しているのだ、しっくりくるのだ。そういう小説は、滅多にあるもんじゃないのではないか。

it_shine@it_shine2025年5月15日読み終わった読点の使い方というか、文章の構成の仕方は最後までなれなかったけれど、これはこれでいいのかもしれない。 語りの内容、描写が細かくこだわりがあるのだろうな。ストーリーはないわけじゃないのだけど、事件が起こるわけでもないし。こういうのがいいんだよ、という感じ。語り方の切り口で魅せていく。それが心地いいからするする読めていく。気持ちいい。
cherie@cherie2025年4月1日共に明るい _ 女子たちはヘアアレンジに工夫を凝らす。人とやり合える、褒め合えるとてもいい余暇だ。午前と午後で髪型を変え、猫や熊の耳風、牛の角風にまとめ上げるような編み方が今は流行る。 _ 「ビジネスホテルに備え付けの服は短くて薄い。それは本当にどこも」と体育教師は自信を持って答える。様々な場所に泊まったことがあるのだろう、国体選手だったと聞くしと彼は思った。 _手のひらの形の板が三枚重なるカスタネットのようなのが、振ると鳴る。本当に大人の手のから大で柄も長い、人間は何て大きめの、必要もないものを生み出すのだろうと彼は思い、ただ頷いた。
みつ@m-tk2025年3月6日借りてきたかつて読んだ---「私はでも良かった、生んで分かった。あんなに親に、何かしてもらうたびにお礼なんて言わなくても良かった。あっちだって、生んで育ててみたかったから生んだだけなんだから、あんなに私が気を使う必要はなかった」


はぐらうり@hagurauri-books2024年3月25日読み終わった前作より少し観念的だったかと思う。短編集で、舞台はどれも日常の風景だったのに、不思議。独特な文体で、脳内で声に出しながら読むくらいのペースがちょうどいい。














