虎と月
32件の記録
いち。@tokisakananao3072026年7月16日読み終わった「私の目に映る”ものたち”はおそらく、はじめからそこにあるのではないのです。かれらは私が名前をあたえることで、ことばにすることで、はじめて私の世界に立ち現れてくる。”ものたち”は、名前があたえられることで、はじめて無名性の世界から抜けだして、私の世界に存在するようになるのです。」 行方不明の父親が虎になったと聞いた。そんなわけないだろうと思いながら出会った不思議な詩から、父親が虎であると確証を得る。このままでは自分も虎になってしまうかもしれないと不安に思ったとき、少年はすでに旅に出た後だった。 『山月記』を息子の視点で描いた話。学校で習ったけど、断片しか覚えてないなぁというのが読んだきっかけ。あとがきで書かれている「原作が好きすぎて、擦り切れるほど読んだことで生まれた新しい形」というのはいい話。自分が好きな物事の影響は新しい風を吹かせる可能性を持っているんだと実感できる。
piro@piro2026年6月17日買った読み終わった『山月記』で李徴が何故虎になったのかを、李徴の息子視点で描いた物語です。 サラサラっと読めるので、小説としては少し物足りなさを感じるかも。 でも、虎になった理由を探る新たな解釈や「“ものたち”が名前を与えられることで無名性の世界から抜け出してくる」のくだりにはハッとさせられました。 そして、『山月記』をベースに、物語の世界や登場人物の人となりを広げていく想像力の豊かさ。これこそ読書の醍醐味なのでは、と改めて思わされます。 『山月記』をこれから学習する10代の子達にこそおすすめしたい一冊です。 読了後、久しぶりに元ネタの『山月記』を読み直しましたが、本作を読んだ後に読むとかなり分かりやすく読めるのも良かったです。























