新装版 スカイ・クロラ
21件の記録
- @sotaono2026年8月8日「戦争を知らない大人たちに捧げよう。 彼らの過ちは、三つある。 子供たちが自分たちから生まれたと信じている。 子供達より多くを知っていると思い込んでいる。 子供たちがいずれ自分と同じものになると願っている。 それら妄想の馬鹿馬鹿しさといったら、 戦争よりも悲惨なのだから。」 p11 「僕たち?つまり、僕と彼女の二人。他に人類がいるなんて考えたこともない。」 p12 「「貴方と一緒にいられなくなるから……。一人になるのが恐い。」」 p12 「自分って、誰だ?そんなことは、生きている奴が考える傲慢。生きている奴だけが騙される幻想。不規則な、きれぎれの、それこそ死にもの狂いの嘘。」 p14 「目が覚めても、彼女のことがしばらく僕の心に残留していた。それは、彼女の姿や声や匂いではない。彼女の存在そのものだ。だから、それは言葉にも信号にも還元することができない。したがって、急速に霧散し、消えていく。しかし、姿や声や匂いに印象を留めることの滑稽さに比べれば、それは素敵な消散だ。」 p15 「僕は何者なのか。思い出す。思い出すこと自体が、呪われた証。」 p15 「世の中のほとんどの差は、直接か間接かの違いなのだ。」 p21 「それを教えてくれた人間は、僕にとって大切な人だ。その人の名を口にするのは、その人と対面したときだけだと決めている。」 p36 「きっと、生きている、という不自由さからだろう。生物にとって、それよりも大きな束縛はない。「もしかして、死にたがっているんじゃない?」」 p50 「途中で、火を吹いている方の一機が湖面に墜ちるのが見えた。脱出はなかったようだ。可哀想に、という言葉は思いつく。けれどたぶん、僕はそうは思っていない。まるでケーキの上に描かれたチョコレートの文字のように、思ってもいない言葉だ。」 p58 「撃とうと思ったときには、既に次の目標を見たほうが良い、ということだ。言葉にすると実に簡単。つまり、今から弾をぶち込む相手を眺めている時間は完全な無駄なのだ。」 p62 「どこの街にも、なにかを待っている老人がいるものだ。どういうわけか、子供はなにも待っていない。」 p73 「でも、大人になる、というのは、つまりは老いることであって、山から下ること、死の谷底へ近づくことではないのか。どうなんだろう……。人は本当に死を恐れているのだろうか?」 p73 「期せずして生まれてくる僕たちのような子供を、普通の大人はどう思っているのだろう?どんなふうに見ているのだろう?仕事とはいえ、戦争で死んでいく子供たちのことを、彼らはどう自分の人生の中に組み込んでいるのだろう?何を受け止めているのだろう?」 p74 「だから、僕も、彼女のために微笑んでやった。子供のように。そうやってときどき、誰かに返したくなるんだ、子供のときにもらったものを、誰だってみんな……。」 p81 「死んでしまうのと、生き続けるのと、どちらが幸せだろうか。さあ、どっち……。」 p91 「「いるか、いないか。人の状態は、この二つしかない。」」 p92 「「貴女は、キルドレですか?」」 p93 「抵抗することが生命の証なのだ。たとえ、その行為が繰り返し無駄になったとしても。生きていると信じるには、なにかに抵抗するしかない。」 p115 「「君は天才なのか?」僕は尋ねる。「そうだ。」」 p117 「そういったつまらないことに執着するのが大人の特性であり、特権であり、そして役目でもある。」 p118 「笹倉さは微笑んで、それから、顔を赤らめた。なんとも純情な天才だ。」 p125 「仕事も女も、友人も生活も、飛行機もエンジンも、生きている間にする行為はなにもかもすべて、退屈凌ぎなのだ。死ぬまで、なんとか、凌ぐしかない。どうしても、それができない者は、諦めて死ぬしかないのだ。」 p125 「彼は大人で、戦争を知らない世代だったのだ。僕たち子供の気持ちは、大人には決してわからない。理解してもらえない。理解しようとするほど、遠くなる。どうしてかっていうと、理解されることが、僕らは嫌なんだ。だから、理解しようとすること自体、理解していない証拠。僕たちは、たしかに、退屈凌ぎで戦っている。でも……、それが、生きる、ということではないかと感じる。そう、感じるだけだ。違うだろうか?」 p126 「僕はまだ子供で、ときどき、右手が人を殺す。その代わり、誰かの右手が、僕を殺してくれるだろう。」 p133 「照らすべきものが近くにあることは、幸せだろうか、それとも不幸せだろうか。」 p133 「理屈がさきにあって、その理屈で感情がある振りをする。」 p134 「僕は、単に自分の安全を守るだけ。安全地帯を作っているだけのこと。摩擦を減らしておいた方が、なにかと都合が良いだけ。」 p136 「生きていることを確かめたかったら、死と比較するしかない、そう思ったからだ。これは贅沢な悩みだろうか。」 p138 「誰かが僕を撃ってくる。誰かが僕を撃ってくれる。」 p139 「「それなのに、空は素晴らしい紫色で、雲は月の光に輝いている。下にある海だって、きっと綺麗だ。」」 p141 「久しぶりに、「悲しい」を思い出して、僕の目から水が滲み出た。とても珍しいから、僕は思わず笑ってしまった。どうしてコックピットを開けなかったかって?たぶん、死ぬときは、なにかに包まれていたかったのだ。生まれたときのように。そんな死に方が、僕の憧れだから。」 p145 「「こんにちは、お名前は?」少女が僕にきいた。」 p160 「「魚はずっと魚のままだわ。」「人だってずっと人のままだよ。」 p160 「「進化しようとしたの?」「え?」僕はきき返す。「二人で、進化しよう。」」 p163 「テントの中で見たもの。それは、僕が何度も見たものだったけれど、もう、思い出せなかった。」 p190 「「もしかして、君も殺してほしい?」」 p197 「自分の責任だと考えることが、一番楽なのだ。全部、自分の責任なら、閉じていれば良い。完結できる。人の責任だと思うから、処理が難しくなる。」 p199 「「君も殺してほしい?」」 p200 「昨夜、僕が眠れなかったのも、きっと、昨日と今日を滑らかにつなぐためなのだろう。忘れないように、そして、忘れるように。」 p209 「「どこへ行っても、同じような連中しかいねえよな、ホント。こんな奴、初めて見たぜ、ていうような奴には最近滅多にお目にかかれないってこと。」」 p213 「つまり、これが、三ツ矢碧に初めて会った夜と、三ツ矢碧に初めて会った場所になった。そういう夜も、場所も、一生に一度、世界に一箇所しかない貴重なものだから、少なくとも即座にゴミ箱に捨てるわけにはいかない。パーティションかコルクボードのどこかに、マグネットがピンで留めておく方が無難だ。誰でも最初に出会ったときには、その相手が自分の将来にどれくらい関わる人物なのか判断がつかない。ただ、予感だけをピンでとめるしかない。ピンで留めさえすれば、それでほっと一安心。次の日の朝には、すっかり彼女のことを忘れていた。」 p224 「「さあて、ひとしきり走ってきたら、どうだい?」」 p238 「「あぁ、あの黒い猫の?」」 p247 「ボールの穴から離れた僕の指は、今日の午後、二人の人間の命を消したのと同じ指なのだ。僕はその指で、ハンバーガも食べるし、コーラの紙コップも掴む。こういう偶然が許せない人間もきっといるだろう。でも、僕には逆に、その理屈は理解できない。」 p248 「意識しなくても、誰もが、どこかで、他人を殺している。押しくら饅頭をして、誰が押し出されるのか……。その被害者に直接触れていなくても、みんなで押したことには変わりはないのだ。私は見なかった。私は触らなかった。私はただ、自分が押し出されないように踏ん張っただけです。それで言い訳になるだろうか?僕は、それは違うと思う。それだけだ。とにかく、気にすることじゃない。自分が踏ん張るのは当然のことだから。しかたがないことなんだ。」 p249 「きっと、どんなものでも、捨てたものじゃないだろう。人の命だって、倒れるために並べられたピンだって、捨てたもんじゃない。」 p255 「「ずっとまえだけど、黒い猫を飼っていたことがある。」草薙は言った。「毎日、私の前を横切るわけ。」」 p260 「「自分の人生とか、運命とかに、多少は干渉してみたい。月並みだけれど、それが、つまり、人並み。わかる?人並みだよ。私たちって何?人間だよね?違う?自分の死に方について考えるのが、人並みなんだって、そう思わない?」」 p262 「「私は、死にたい。今夜でもOKだよ。ねえ、お願いしたら、殺してくれる?」」 p264 「彼女は僕の口に自分の唇を押しつけた。」 p264 「「どうする?殺してくれる?」その口が言う。」 p264 「「さもないと、永遠に私たち、このままだよ。」そうだ、と僕は思った。「ずっとこのままだ。」けれど……、少なくとも、昨日と今日は違う。今日と明日も、きっと違うだろう。いつも通る道でも、違うところを踏んで歩くことができる。いつも通る道だからって、景色は同じじゃない。それだけでは、いけないのか?それだけでは、不満か?それとも、それだけのことだから、いけないのか。それだけのこと。それだけのことなのに……。」 p265 「どこからでもいい、どこへでもいい、きっと、連れ出してほしい二人だっただろう。」 p270 「もし、その人が目の前にいれば、名前なんて必要ない。その人が目の前にいなければ、話題にすることはない。つまり、使う機会がない。」 p270 「人間でも一度別れた人と再会することは滅多にない。否、一度もない、と僕の場合は断言できる。」 p276 「「永遠に生きるキルドレ。」」 p291 「理解ほど、貴重で入手が困難なものはない。それが得られるのは、きまって、その必要がすっかりなくなったときなのだ。」 p291 「笹倉の望みは、実に現実的だ。彼の望みは、いつも形があって、しかも、すぐそこにある。手を伸ばせば届くところにあるのだ。僕は、それが羨ましかった。それに比べて、僕は、いったい、何を望んでいるのだろう?人生のための楽しみか?それとも、余裕だろうか?わからない。ただ……、理解、でないことは確かだ。人に理解されることほど、ぬるぬるして、気色の悪いことはない。僕はそれが嫌いだ。できるだけそれを拒絶して、これまで生きてきた。それは、たぶん……、草薙も同じだろう。」 p293 「ただ、一つだけいえることは、間違っていても、生きている、ということ。間違ったままで飛んでいる。飛んでいることが、間違っていることなのだ。わからないだろう。きっと誰にも、わからないだろう。そして、誰にも、わかってもらいたくない。」 p296 「「パーフェクト・サバイバ。」」 p303 「「クサナギさんが、クリタという人を撃ったのは、だからきっと……、終わらせてあげようっていう、彼女の愛情だったんだと思うの。」」 p304 「「貴方になったから。」彼女は下を向いたままだ。「もう一度、再生して、新しい記憶を植えつけて、貴方が作られたのよ。貴方はクリタさんの生まれ替わり。」」 p306 「自分は何者なのか?」 p307 「自分は、何者なのか?どうして、生きているのだろう。」 p314 「周りを見ろ!次の獲物を探せ!」 p316 「「彼が殺してくれと?」「もちろん。」「彼のことが好きだった?」「ええ。」」 p316 「私を殺してくれない?」 p317 「「カンナミ。」目を瞑ったまま、草薙は言った。「その銃で、私を撃って。」」 p327 「この世は、うんざりするほど理由でいっぱいだ。ゴミのように理由で溢れている。人はみんな理由で濁った水を飲むから、だんだん気持ちまで理由で不透明になる。躰の中に、どんどん理由が沈澱する。」 p328 「彼女は僕を愛していない。僕も彼女を愛していない。愛情なんて理由が、僕たちには必要なかったからだ。」 p329 「僕は、彼女を殺した。彼女が自分を殺すまえに、彼女のために、彼女を、殺したのだ。きっと、彼女は生き返る。僕だって生き返る。繰り返し、僕たちは、生きることになるだろう。そして、また……、戦おう。人間のように。永遠に、戦おう。殺し合おう。いつまでも。理由もなく、愛情もなく、孤独もなく。なんのためでもなく、なにも望まずに……。」
- ここ子@itit092026年4月11日買ったスカイ・クロラは鶴田さんのイラストに一目惚れして、当時ノベルス版を買ったので、いつか文庫の新装版も欲しかったので、全巻大人買いした📚️ 実は初めて読んだ森作品はスカイ・クロラで、作者の名前も知らず、完全に表紙とタイトル書い 私の人生を変えた1冊です

昆布川@knbwkmmz2025年2月14日読み終わったシリーズ読了!キルドレというものがありながら、最初から最後までいるパイロットはティーチャだけだったんだな… 草薙を地上に引き摺り下ろしておいて、彼女を取り巻いていた大人たちは何をしているの?とか思ってしまったけれど、刊行順ではこの巻が最初だからなあ…














