蹴りたい背中

29件の記録
- はなまくろ@bottlesbonus2025年7月3日読み終わった夜ふかしの読み明かしの読者会にて取り上げられていた。第130回芥川龍之介賞受賞作。今読むと主人公は拗らせすぎていてみてられない。にな川も変なところはあるが今の時代だとごく普通の男性にみえる。しかし当時(というか学生の頃)の自分が読むとおそらく主人公はごく普通の女性であり、にな川は拗らせたオタクだと感じただろう。時代によって印象が変わる作品だと感じた。
- mizuki@mizukikometa2025年5月5日読み終わった群れるのは嫌いだけど1人になるのも怖い。高校生の時の感情を思い出した。 自分の未熟さ、恥ずかしさを抱えて、にな川の歪さ、醜さを見ると加虐心みたいなものを煽られるのだろうか? マイクロアグレッションの逆みたいな?
- 村崎@mrskntk2022年8月31日再読とにかくまず冒頭が完璧すぎる……。あらためて考えるとすごい、文章で胸がどきどきする。何度読んでも完成度というか表現力の高さに驚く。さびしは鳴る、という衝撃的な一文からまったく浮くことなく、つまりどういうことなのかをきれいに描写。ハツの性格を思うと、「胸を締めつけるから」というのがまたいい。 ハツからみたにな川は、すこしまぶしい。きらきら輝いているわけではないのに(むしろじめじめしている)、オリチャンという芯が一本通っているからか、くだらないと吐き捨てたくなるクラスメイトや部員とはどこか違ってみえる。そんなにな川に認められたい、自分をみてほしいと思う心理は痛いほどわかる。 自分が見下していたはずのクラスメイトたちが、本当は自分よりもいろいろなことを考えてくれていたのかもしれないと気づいてしまったときの恥ずかしさ、侮っていた教師が自分をみてくれていたことを知ったときの安堵感と情けなさ。そんな感情におそわれて逃げ出したくなった先にあったのが、にな川の背中だったのだと思った。