蹴りたい背中

52件の記録
- ぽの@hoa45672025年9月18日孤立した高校生の短い時間を描いたお話。びっくりするくらいハツのことがわからなかった。 どういう感情で、どうしてこの行動…? 短くてすぐ読んじゃったけど、全然わからなかった…
- 成功者の味方は怠慢な他人@No_Read_No_Life2025年9月13日読み終わった借りてきた書き出しの「さびしさは鳴る」から心情を書き連ねた冒頭や物事に対しての例えの多さが思春期真っ只中の主人公の内向的な性格を映し出していた。特に「人間の趣味がいいから幼稚な人と喋るのはつらい」や「先輩達は自分達に染まらない私を脅威だと思っている」などの他の人とは違う自分を無理矢理評価する思春期特有の拗らせ方の描写が素晴らしいと感じた。 思春期の気難しさやアンバランスさをラブコメ青春物語ではなく、ある種の気色悪さという視点で描いていて、それを強調するかのように友人である絹代が2人の関係を「恋愛」という安易なカテゴライズをするのに対し「蹴る」という独特な答えを生み出していた。 巻末の解説にはこの作品が売れた理由の一つとして「今風の若者を描いている」事を挙げていたが、この作品で言う今風の若者とは我が道を行く2人なのか、グループに属する事を優先する他のクラスメイトなのか、はたまた両方なのか疑問に思った。作者は当時19才でこの作品を書いたそうだが、俯瞰で見る力が飛び抜けているなと感じた。 380円
- あさだ@asadadane2025年8月31日読み終わった小説綿矢りささん初読。己に対しては鋭敏だが、それゆえ他者からの感情に鈍感だったり穿った見方をしてしまう思春期が繊細に描写されている。にな川の全能感が最高!行動は最悪な害悪オタクだけど!
- みさき@misabook2025年8月10日読み終わったなつかしい。 なつかしいのだけれど、この作品を初めて読んだ当時の私はこの物語のよさがわからなかった。わからなかったというよりはつらかった。学生生活なんて現実だけでもうこりごりで、高校生が主人公の物語なんて読んでられるか!って感じだったんでしょうね、、 今回改めて読んだら、感情がジェットコースターばりにびゅんびゅんして甘酸っぱい「ザ・恋愛小説」じゃないところが良い。このうまくいかなさ、もどかしさ、それからなにもかも書かれすぎていない余白のあるところがとても好みでした。
- はなまくろ@bottlesbonus2025年7月3日読み終わった夜ふかしの読み明かしの読者会にて取り上げられていた。第130回芥川龍之介賞受賞作。今読むと主人公は拗らせすぎていてみてられない。にな川も変なところはあるが今の時代だとごく普通の男性にみえる。しかし当時(というか学生の頃)の自分が読むとおそらく主人公はごく普通の女性であり、にな川は拗らせたオタクだと感じただろう。時代によって印象が変わる作品だと感じた。
- mizuki@mizukikometa2025年5月5日読み終わった群れるのは嫌いだけど1人になるのも怖い。高校生の時の感情を思い出した。 自分の未熟さ、恥ずかしさを抱えて、にな川の歪さ、醜さを見ると加虐心みたいなものを煽られるのだろうか? マイクロアグレッションの逆みたいな?
- 村崎@mrskntk2022年8月31日再読とにかくまず冒頭が完璧すぎる……。あらためて考えるとすごい、文章で胸がどきどきする。何度読んでも完成度というか表現力の高さに驚く。さびしは鳴る、という衝撃的な一文からまったく浮くことなく、つまりどういうことなのかをきれいに描写。ハツの性格を思うと、「胸を締めつけるから」というのがまたいい。 ハツからみたにな川は、すこしまぶしい。きらきら輝いているわけではないのに(むしろじめじめしている)、オリチャンという芯が一本通っているからか、くだらないと吐き捨てたくなるクラスメイトや部員とはどこか違ってみえる。そんなにな川に認められたい、自分をみてほしいと思う心理は痛いほどわかる。 自分が見下していたはずのクラスメイトたちが、本当は自分よりもいろいろなことを考えてくれていたのかもしれないと気づいてしまったときの恥ずかしさ、侮っていた教師が自分をみてくれていたことを知ったときの安堵感と情けなさ。そんな感情におそわれて逃げ出したくなった先にあったのが、にな川の背中だったのだと思った。
- 夜井@beginner_reading1900年1月1日読み終わったこの話の後に主人公がどうやって厳しい高校生活をくり抜けていくのか見てみたいと思った。ちょっと自分とハツが似ていた。クラスの男子が自分に話しかけるときに位が下の人に話すような態度というところと授業の合間の10分休みの表現が良かった。主人公には夢中になれるものがあって良かったなと思う。一つでも夢中になれることがあってそのことが潰されなければ、高校は卒業できるだろうな…