旅する練習

8件の記録
- 真冬@k31x312025年3月12日大好きな本好きな作家乗代雄介Readsさんの公式noteの最新記事で「検索結果から本が選択されるごとに内部のデータベースに本が登録されていくことになり、それ以降はよりヒットしやすくなっていきます(そのはず)。」との記載があったので、それならと大好きで大好きな一冊を選択してみる試み📚 講談社文庫にもなってるけど単行本の装丁のほうが好き
- ゆべし太郎@skikzy2025年3月6日かつて読んだまた読みたい土手を歩いてる2人をときおり思い出す(そんな場面が本当にあったのか定かではないが、自分の記憶のなかには確実にある情景)。とにかく好きだなあと思いながら読んでいて、ここから乗代さんの作品をいろいろ読みはじめた。
- 村崎@mrskntk2024年4月3日亜美はリフティング、叔父は文章の練習をしながら鹿島を目指す一週間が描かれている。立ち寄った先で知る歴史、鳥の名前や生態、亜美の純真な性格、小説家である叔父の目線で衒いなく、丁寧に、見たままのことが文章でスケッチされていいく。途中、みどりさんという女性と出会い旅を共にするけれど、それ以外は大きなドラマもない。けれどだからこそ、日常の一瞬いっしゅんのまぶしさみたいなものが優しく光っている、ってこんなふうに書くとすごく陳腐に聞こえるかもしれないですが、私たちは取るに足らないことを繰り返しながら、けれど取るに足らないことのなかに大切なものを見つけながら生きてきているのだよなということを、やわらかく感じさせてくる小説だった。 亜美たちのやさしくて力強い言葉の数々に励まされると同時にわたしたちは生きているかぎりは潜って息をして、潜って息をして、つねになにかの練習をしないといけないということも実感させられる。当たり前にありすぎる残酷さもちゃんと描いている作品だとも思う。 「旅する練習」を読んだ友人と感想を言い合っているとき、「鳥が川に立っているのを見るたびに、あれは羽根を休めてるわけじゃないんだなって思うようになった」「乾かしているんだよね」「次の準備だよね」なんていうことを話して、それは取るに足らない会話のひとつだったけれど、たぶんこの先わたしのなかで忘れない言葉のひとつとして刻まれていくのだと思った。 日常は、取るに足らないものの連続、だけど一瞬いっしゅんのきらめきの連続でもあって、ときどきでもそのとことを思い出していきたいなと思える作品だった。本当によい小説でした。