三部作【トリロギーエン】

9件の記録
- pamo@pamo2025年3月17日読み終わった感想図書館本初めてのノルウェー文学。小説なのに散文詩のような、変わった本! とにかく「。」がない。小説なんだけど詩のように言葉が紡がれていく。 けれどそれによって、詩のような、戯曲のような、不思議なリズムができていて時間芸術の本になっている。 ノルウェーの観光地として人気の美しいベルゲン、しかし描かれる景色は厳しい冬の、裏寂しく、よるべのない、漁師たちのしんどい暮らしが滲む。 ちょっと人には勧めづらいけど、こんな不思議な本があるんだ…と知れたことに感謝。 図書館のオススメ棚に並べた司書さんの攻めっ気に脱帽です。
- fuyunowaqs@paajiiym2025年3月16日再読🌟"単にこの世にはお金のある人とない人がいるって道理じゃない そして、持っている人が私たちのように持っていない人間の運命を好きなようにするというだけ" 読み進めるにつれ、じわじわと物語の輪郭が現れてくるのが心地よい。第一部は不穏な幕開け、第二部は展開と決着、第三部が物語全体をフォローした静かな幕引き。 装幀は田中久子さんによるもの。 アルビレオによる『朝と夕』も好みの装画と装幀で、目を奪われる美しさを誇る1冊だが、こちらも瀟洒で美しい佇まいだと思う。揺れる碧まじりの青、明るく冷たい青、泥と灰に沈んだような青、キラキラ輝く花布の青、表紙と見返しの乾いた青……さまざまな青が使われている。 フォッセの散文作品をもっと読みたい。とくに "Bly og vatn", "Prosa frå ein oppvekst", "Septologien", "Kvitleik" の邦訳をお願いします……お願いします……