老いた母との会話、子どもの頃の思い出、歩くこと、海外旅行、料理。なんだか「今度、会わない？」ってLINEする友達の手紙を読んでいるみたい。その中に詩を読むこと、詩を書くことが入ってる。 「シンボルスカが誰にでも声をかけているときには、誰も除け者にされることはない。詩を読まない人も、詩に関心のない人も、詩を悪く言う人さえも。シンボルスカはあらゆる人を詩に招く。」（126ページ）キム・ソヨンさんもそうだよね。

引っ越し前、お世話になった歯医者さんへ贈った。美しい書棚のある歯医者さんで、その静かで優しい選書が大好きだった。この本を手渡しながら、泣いた。

寝る前に一編ずつ読むと、心が静まる。失われたもの、母のこと、小さいときの痛みや傷… 幼なかった自分を抱きしめたくなった