新装版 とらんぷ譚2 悪夢の骨牌 (講談社文庫)

6件の記録
- 🦈@Lore_Link2025年9月23日読み終わったp.84 どこかに薔薇の墓を作らなくちゃ、と藍沢惟之は思った。摘んだ病葉や搔き取った台芽、あるいは花片を思いきり反らして蕊をあらわにし、踊り子めいた衣裳で終った花など、本当はすべて燃やさなくてはいけないのだろうが、まだ半ば生きている感じのままそれらを葬って、腐土に変じさせてゆくための深い穴が、薔薇園の夏には欠かせない。その穴は、しかも自分が埋められる墓になるかも知れないのだ。
- 🦈@Lore_Link2025年9月22日読んでるp.62 「どんな未開の蛮族でも、大昔からミイラの乾し首はりっぱに作ってみせるというのに、現代の科学ときたら、なんてまあ役立たずなんでしょう、美しい生首ひとつ作れないなんて!」