キオスク (はじめて出逢う世界のおはなし オーストリア編)

11件の記録
いーじーらいす@EasyRICE2026年5月21日読み終わった「トゥルスニエクのあごにうっすらと血が流れていた。細い血のひと筋。糸よりも細いくらいだ。トゥルスニエクの目が絶望の色に染まっていた。ベールのようだ、とフランツは思った。すけて見えるほど薄い黒いベール。その瞬間、すべてを理解した。ほんの一瞬、未来に向かって窓がひらいた。その窓から真っ白な不安が吹きこんできた。ザルツカンマーグートから出てきたちびで、愚かで、無力な少年に向かって。さめざめと泣きながら、フランツは膝をつき、トゥルスニエクの首にかじりついて、体を押しつけた。「放すんだ、フランツ!」トゥルスニエクはフランツの髪に顔をうずめて、かすれた声でささやいた。「頼む。放してくれ!」」
chim@chim_Isolation2026年1月30日読み終わった1937年秋〜1938年のウィーンを、地方から出てきた少年の目を通して描く。 台頭するナチズムにより、ファシズムに侵されていく街と人の描写に、いまの世相を重ねてしまう。 暗い雰囲気のなか、主人公とフロイト(!)の交流がなんともユーモラスであたたかい。


















