続氷点(上)
14件の記録
ずんだき@zundamochi2025年10月24日読み終わった東北旅行の移動で読み直して一気に終わった。 三浦綾子さんの描く文章は情景や心情が繊細で引き込まれる。 人間の罪や赦し、葛藤をそれぞれの登場人物に沿って描かれていて、どんなに良い人に見えても完璧な人っていないんだなと思う。 どれだけ稼いだお金よりも、人からもらった言葉が残るっていうのは正しくありつつ、綺麗事だとも思えて素直に受け取れない自分になんとも言えない気持ちになった。 あとは人からの貰い物に難癖つけたり、自分の思い通りにいかないとネチネチと言動に現したりする夏枝のようにはなりたくないと思った。
直線@hrv8k2025年7月15日読み終わった一命を取り留め、翳りのない強さが陽子から消えた。人を責める気持ちや恨みの感情を覚え、自身の出生が不義によるものであったことを許すことができない。 無意識のうちに犯す、人間には始末のつけようがない罪の話を啓造は陽子にしている。いつの間にか積み上がる膨大な罪の小石に座りながら自らに非はないと思っている気がする、と。 残忍な仕打ちを行う者の性質全てが悪ではないこと、自分という生を全体の中のひとつとして捉えることなど、心に留めておきたい文章がたくさんある。








