僕に踏まれた町と僕が踏まれた町

7件の記録
- 断片@tundoku12192025年10月7日読み終わった2025.10.7 読了 「ただ、こうして生きてきてみるとわかるのだが、めったにはない、何十年に一回くらいしかないかもしれないが、「生きていてよかった」と思う夜がある。一度でもそういうことがあれば、その思いだけがあれば、あとはゴミクズみたいな日々であっても生きていける。」 「僕は何だか胸が悪くなっていた。いったい何なんだ、と思った。世界は腐っている、とも思った。その腐臭は明らかに自分の胸元からも匂っていた。爆発してみんなぶっ壊れればいいんだ、世界も自分も。」 「「人の命は地球より重い」とよく言うけれど、そんなものは嘘っぱちだ。地球の方がやはり重い。ただ、その人、およびその人を愛する人にとってみれば、地球なんてオレンジ一個よりも軽いのかもしれない。」
- 勝村巌@katsumura2025年7月10日中島らもが三宮、灘高で落ちこぼれて浪人となり大阪芸大に入った頃の青春期の思い出を文庫本2ページずつの短いエッセイで綴った本。三島の割腹自殺とか東大紛争とかそういう時代のフーテンやらヒッピーやらの奇人たちとの儚いメモリーの数々が、愛おしさと共に描かれている。思い出はいつも儚い。その思い出が輝かしいものであればなおさら。今はもう誰もいなくなってしまった。そういう祭りの後の感じを振り返る切ない読後感がたまらない。いい本でした。