やたらと出てくるハイソサエティな固有名詞と、語り手の無自覚な教養のひけらかしが鼻につく。

「おそらく誰にもあるでしょう、つけられた傷を何度も自分でなぞることでより深く傷つけてしまい、自分ではもうどうにものがれ難い溝をつくってしまうということが、そいしてその溝に針を落としてひきずりだされる一つの音楽を繰り返し聴いては自分のためにないているということが。」 ハタチでこんなことかけるんだ。逆立してもかなわなすぎる。

なんで酒を飲んじゃうんだろうってことに対する徹底的な思索。読んだら飲みたくなってしまって、アホみたいに飲んで二日酔いになった。

倒錯した人を書くというより、倒錯した人「が」書いたような小説。この本の方がもうちょっとメタいが、ちょっと前にバズったしゅんきのnoteとか、うわさのベーコンを思い出した。