ノンフィクション作家の高野秀行さんと、歴史家の清水克行さんによる対談集。ソマリ人と室町時代の日本人はよく似ているという観点からの対談で、これが抜群に面白い。世界の辺境と中世の日本を比較照合することで両者への理解が深まり、それぞれが立体的に浮かび上がってゆくのに知的好奇心を刺激される。直近の研究では一般的な日本史のイメージとは異なる学説がずいぶん定着しているようで、改めて日本史を学び直したくなった。否、日本史に限らず本を読んで勉強したいという気持ちにさせてくれる本で、まずはお二人の著作をもっと読んでゆきたい。