ワインズバーグ、オハイオ
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CandidE@araxia2025年4月7日読み終わった副題を「グロテスク小説群」(A Book of Grotesques)とする本作は、全22編の短編から構成される。各物語は独立しているものの、若い新聞記者ジョージ・ウィラードを共通の人物として、オハイオ州の架空の小さな町ワインズバーグを舞台に緩やかに連結されている。 閉塞した街という甕に沈殿した抑圧や孤独、葛藤、精神の歪み――そしてそこに巣食う怒り、悲しみ、破壊衝動、歪んだ愛……。アンダーソンは、このようなグロテスクに歪み、畸形な存在となった人々の怨嗟を、淡々と掬っては戻し、掬っては静かに戻す。 ⸻ 「世界じゅうのみんながキリストであり、磔にされている。わしが言いたいのはそれさ。忘れないでくれ。何が起きても、絶対に忘れてはいけない」(「哲学者」より) 「『無』のなかから世界に誕生し、それぞれの人生を生き、『無』のなかへと消えていった無数の人々。彼らの姿が、目の前を行進していくかのように見える。」(「見識」より) ⸻ オールタイムベスト。


画伯@ggahak2025年4月2日じゅうぶん読んだわりと好きと思ったのだが半ばで飽きてしまい、後半はぱらぱらとめくって斜め読みしたり訳者あとがきを読んでまたぱらぱらしたりで読んだことにする。病み上がりで集中する体力がまだないのかもしれない
画伯@ggahak2025年3月28日読んでる架空の町オハイオ州ワインズバーグを舞台にした短編集。うち「手」がゲイ短編集に収録されており、それが気になって購入した本。ありがちな狭い田舎の鬱屈という雰囲気ではないのがよい。人がいわく言い難き内面を持っているのはあたりまえ、だけどお互い誰もそんないわく言い難き内面を持っているとは想像していない隣人たちに、無作為に一瞬ズームインして見えたもの聞こえたことを綴るかのような作品集。なかなか好き
- kota@kotakota51900年1月1日読み終わった感想およそ100年前に書かれたとは思えない、人間の剥き出しの有り様が紡がれている。今までの価値観で取り繕われるものを全て取り払い、人々が考えていることがそのまま書かれていると感じるような物語世界。(全て勿論架空なのだが。)現代、皆が自分に正直に生きられるようにと言われつつ、逆に無駄に取り繕われるものが多いと感じる近頃、このモダニズム文学の先駆けと言われる小説が広く読まれてほしいと思う。個人的に好きなのは、哲学者、狂信者-四部の物語-、神の力、語られなかった嘘。









