キッチン・コンフィデンシャル
12件の記録
本屋lighthouse@books-lighthouse2025年11月7日読んでるディミトリは不吉な予言をした。食事の真っ最中にテーブルの上で崩れ落ち、どろどろと煮えたぎったホワイトシチューが溶岩のようにあふれだして、逃げまどうお客の膝に流れ落ちる。ひどい火傷になり、きっと「傷跡が残って・・・・・・裁判沙汰になり・・・・・・世間に顔向けできなくなる」。万が一そんなことになったら日本軍人のように責任をとって自害すればいいだけの話だと心を決めて、ディミトリはやっと気をとりなおした。「あるいはヴァテールのようにね」と彼は付け加えた。「魚料理を出すのが遅れたという理由で、彼はみずから剣の上に身を投げたんだ。それしか道はない」。(p.59-60) ヴァテール!また会えたねヴァテール!今年3回目の遭遇。存命の知人よりも数世紀前の死人と顔を合わせている私はといえば、シェフ(ひろこさん)不在のなかテキトーに調理し味のしない野菜炒めを誕生させていたが、私の王は私なので自害することもなく、その夜ウエルシアにて半額になっていた青椒肉絲の素を買った。「ピーマンを入れるだけ!」とあるが無視して冷蔵庫の玉ねぎとネギを入れた。問題なくおいしい。





本屋lighthouse@books-lighthouse2025年11月6日読んでるトキシックマスキュリニティのかたまりみたいな描写が続き、やはり馬は合わないが、逆境に陥ったときの反抗心には共感できる。

本屋lighthouse@books-lighthouse2025年11月5日読み始めた調理担当のひろこさんが1週間不在になるその始まりの日、草野球仲間の爺ちゃんからどでかいさつまいもをもらってしまった。どうにかせんといかん。芋をすりつぶし、米粉、砂糖、豆乳を混ぜてペースト状にし、とりあえずフライパンで焼いてみた。ひろこさんに写真を送ったら「失敗したわんちゃんのおやつみたい」と言われる。しかしここで閃いた。ひとくちサイズに丸めて、ノンフライヤーとやらで揚げてみるのはどうか。奇跡は起きた。外はカリカリ中はホクホクの謎のおやつが完成した。分量を一切計っていないので再現不能。 というのが昨夜のことで、どう考えても今日読み始められるのは『キッチン・コンフィデンシャル』だった。著者はヴィーガニズムを嫌い、「神経症的な自称「乳製品アレルギー」」(p.10)なんてことも書いている始末なので、おそらく馬は合わない。合わないからこそ読みたいとも思う。高市は残業しやすいようにするとかわけわからんことを言っている。きっと著者はそれを歓迎する。だからこそ「なかよくなる」ことが必要だと、いまの私は考えている。 そうして読み始められ、 初めて料理の味を楽しみ、もっと大事なのは、その味が記憶に残ったことだ。私は我慢強いイギリス人のウェイターに、このとろりと冷たい、おいしい液体はなんなのかと尋ねた。 答えは「ヴィシソワーズ」。(p.11-12) そういえばフランソワーズはどうしているのだろうか。









本屋lighthouse@books-lighthouse2025年9月15日買った@ OH! MY BOOKS遠いところで、しかし強めにプルーストの気配を感じたので。会計時に映画『九月と七月の姉妹』のチラシが出され、テンションが上がり「見ました!」と言ったはいいもののチラシをもらうもらわないで謎の間が生じ、結局もらわずに帰る。うれしさあまって一時的なコミュニケーション不全をきたしてしまった。その足でfuzkueを覗いてみたら満席の貼り紙。満席でうれしい感情になるのは稀有な例かもしれない。みんな本を読んでいた。私は電車で本を読みます。






















