たまたま生まれてフィメール

11件の記録
- nogi@mitsu_read2025年9月20日読み終わった読めてよかったな…… 今年、仕事で新人の若い女の子を指導しているのだけど、いわゆる相手先にお金を払う事務というものを、我々の職種は長らく「女のやるつまらなくて簡単な仕事」と見なしてきた歴史があり、それゆえ上の年代の男性はその事務ができないし、軽く見ている。男はもっと高尚で華々しい大変なお仕事をしているので、という態度をまじで無意識で普段柔和な人がやる。 それが本当に嫌だったらしく(歴史を知らないはずのその子が)「女がやればいい簡単なもんだって思ってるんですかね?」と言った。びっくりした。その子は、自分がたくさんその事務をしていて大変なのに、私以外の人(若い子もいるがみんな男だ)はさも、大変じゃないんだから他の仕事投げてもやれるよね?の態度を取る(無意識に)。というか見えてない。なぜなら自分たちはやらないから。 そういうの、昔の私は何も言えなかったしそういうもんだと思っていた。けれども若いこの子は、わたしと違う時代を生きてきたこの子は(本人に芯があり知識もあり自信もあるとはいえ)おかしいと思えるし言えるんだ!と思った。 それは小川さんたちのように、ネット上で禍々しく見るに耐えない誹謗中傷を受けたり、政治に聞こえないふりをされたりしても、訴え続けてきたひとたちがいるから、少しづつでも変わっていっているのは確かなのだと思う。 この環境にあぐらをかいていてはいけないのだ。
- 彩@Alice2025年3月31日読み終わった過去に名古屋のon readingさんで購入した本。積読していたがやっと読めた。当時知らなかったニュースなどが取り上げられていて、ついていけるか不安だったが、その都度丁寧に説明されているため読みやすかった。数時間で読了。小川たまかさんの本を他にも読んでみたいと思った。 フェミニズムの本を読むと、私はまだ何も知らないなと勉強不足を痛感すると同時にもっと学ばなければと感じる。読みながらため息をついてしまうほど、やりきれない気持ちになった。そして当事者意識を持たずに生きていけたらどれだけ楽か、目を背けたいとも思った。だけどそんな自分は嫌だから ・インターネット社会の中で、人は自分と意見の違う人にいともたやすくレッテルを貼ります。レッテルを貼るだけで、その人の主張を根こそぎ無効化しようとします。けれど本来、意見が違う人との間にもいくらかの共通点や親和性はあるはずです。また、共通点を見出すことからしか対話の糸口はないのではないかとも思います。 ・その反抗は私の中で大切なものだ。納税の義務は果たすけれど、産めよ増やせよと圧をかけられるならそこには抗っていきたい。 ・どこかにいるのかもしれない、その幻の存在に、現実の被害当事者たちの声は踏みにじられ続けてきた。 ・解決策の見出せない社会問題に立ち向かうよりも、人々はわかりやすいエモを求めているのだ。たのしくて、ふわふわして、こころがふるえるものが、いいと、おもうよ。けれど私は感じざるを得ない。エモの中に潜んだ政治性を。社会問題や社会課題を訴える記事が政治的であるなら、それから目を背けさせる記事もまた政治的だろう。 ・「政治的なことを避ける」というその選択だってすでに政治につながっていることに気づかないのは無邪気すぎやしないか。 ・フェミニストもヴィーガンも今ある構造との闘いなのに、その前に立ちはだかるのは「俺にケンカを売ってるんだろう」と見当違いの思い込みをしている個人である。
- 白川みどり@midorishi_2024年7月18日かつて読んだ軽やかな語り口、けれど書かれているのは理不尽で絶望的な社会問題。そして著者の切実な怒り。 "なんにもこだわりがないかのように笑っていたいか。それともいちいち声を上げて怒るのか。多くの人が前者でいたいと思うだろう。前者のほうが優れて賢く見えてしまうから。けれどー。" 私は20代、というかつい最近まで、この文章でいう前者だった。Twitterを眺めながら、なんかみんなずっと怒ってんなぁとさえ思っていたし、まるで他人事のように、社会で起きていることを知ろうともしていなかった。今、この本を読んで、私は確かに怒っている。差別をしない。他者を尊重する。そのことが、どうしてこんなにも叶わないのか。無くならない性犯罪や、繰り返される政治家たちの差別発言を知るたびに、どうしてだよ!と思う。前者でいる方が、楽に生きられるのかもしれない。けれどそうすれば私は、きっとまた誰かを傷付けてしまう。私はもう、前者でいたいとは思わない。なかったことにしたくない。