北條民雄 小説随筆書簡集

15件の記録
euy@euy2026年6月19日読み終わった残りの手紙と解説を読んで、これで1冊全部読み終えた。 手紙も力強い。 「孤独と苦痛と病菌とを前に据えて、じっと耐え忍んでいる時の平静な、凍ったような気持はまた何んともいえないものがあるんですがーー」

euy@euy2026年6月17日読んでる「川端康成との往復書簡(九十通)」を読んだ。 作品が認められて成功をつかんでいく過程が伝わってきて、夢を実現する系の少年漫画を読んでるみたいなワクワクがある。 タイトルがけっこう変わってるから、どの作品の話をしてるのかよくわからんときがある。もうちょい解説ほしいな。 いずれにしても、川端康成の書く手紙は最高や。 「先ずドストエフスキイ、トルストイ、ゲエテなど読み、文壇小説は読まぬこと。」 「文学者になど会いたいと思ってはいけません。孤高に心を高くしていることです。」 「只今読了、立派なものです、批評は申上げるまでもありません。また聞きたいとお想いになる必要もないでしょう。文壇の批評など聞く代りに第一流の書をよみなさい。それが立派に批評となってあなたに働くでしょう。」

euy@euy2026年6月9日読んでる未読の随筆を読んだ。「発病」「発病した頃」「猫料理」「柊の垣のうちから」「烙印をおされて」。いずれも大変よかった。未完の作品もけっこうあったが、書きかけの部分だけでも素晴らしかった。 特に「発病」は、ハンセン病の診断を受けた頃のことが書かれてるのだが、めちゃくちゃリアリティがあった。病名を言われても淡々と落ち着いて反応できていて、でも実は胸の奥底には真っ黒な絶望と限りない悲哀がある、っていう。「なんでもない、なんでもない、俺はへこたれやしない」とつぶやいたり、海辺で「ああ俺はどこかへ行きたいなあ」と口走ったりというのが、力強くて、脆くて、切なくて、泣ける。重い病気になった多くの人が経験することではあるが(自分も全然レベルはちがうが持病があるので、非常に共感できた)、でもそれをここまでしっかり言語化できて、そしてここまで美しく力強く描けるのか、ということに驚く。

euy@euy2026年6月8日読んでる掌編・童話を読んだ(童貞記、白痴、戯画、月日、可愛いポール、すみれ)。いろいろ書いてるなー。 この中では「戯画」がなんかほほえましくて一番好き。あと「すみれ」は北條作品っぽい力強さが感じられて良い。 自身のハンセン病のことに限らず、白痴とか唖とか今だとポリコレ的にアウトな表現が普通に随所に使われてて、そういえば北條の小説には野鳥を捕まえて狭いカゴで飼ってる描写とかもあるし、結局、何が正しいかとか、どういう主体にどういう権利が認められるかとかって、絶対的なものじゃなくて時代とともに移り変わっていくんだよなあとしみじみ感じさせられた。
euy@euy2026年6月7日「癩を病む青年達」を読んだ。てゆーか未完か。 北條民雄の作品いろいろ読んでるけど、ハンセン病療養所は一つのコミュニティを形成していて、患者間の連帯みたいなのも感じられて、むしろ楽しそうにさえ思えてしまう。 今は入院して相部屋でも、カーテンがしきられてて患者同士でわいわい話すみたいなことってないし、普通に暮らしてても近所付き合いとかもそんなにないしなあ。
euy@euy2026年6月5日読んでる「道化芝居」を読んだ。 ほかの北條作品とちがう設定で新鮮。 最初ずっと転向した元左翼活動家がモヤモヤしてるっていう内容の物語で、そーいや北條ってそういう経歴あったから今回はそういう話なのかなと思って読み進めてた。そしたら、中盤でかつての弟子が出てきて、そいつがハンセン病を発症してたって話に突然変わって、でもそいつは主人公じゃなくて、主人公がある種、ちょっと差別的な(当時はそれが普通だったのかもしれないけど)目線でハンセン病患者を眺めながら、タブーとかなく冷めた感じで思索してる感じの物語りになってて、なんか斬新だった。 かつての北條に似た人物が、今の北條に似た人物を眺めて、お互いが意見を戦わせたり軽蔑し合ったりしてる、みたいな感じの作品だった。
ねこやま@catmountain_03051900年1月1日読み終わった『戯画』 以下、推しに出会った時の心情と重なった部分の引用。 「多田君はもう死ぬのが嫌になつた。こんな少女のゐる世界は美しい、彼はさう思つた。彼女の生きてゐる限り、自分はもう死ぬ必要はない、彼女を生んだ程の世界だから、生きねばならぬ、さう強く決心したのだった。」







