映画『国宝』を見て、同じ原作者・監督で映画化されたつながりで気になっていた。 真夏に訪れた五島で映画のロケ地だったと知り、福江島の古書店で目に入ったのも好機と思って購入。 久留米や佐賀の街の情景や道路事情の描写が細かくて、ドキュメンタリーを読んでいるような引き込まれ方だった。 「好きなものがないから失うものがなくて、それを余裕や強さと錯覚している空虚な人間」みたいな石橋の指摘がズーンときたなあ。

やさしい気持ちを持たない人なんて、いないと思うんです。 なにかのきっかけで、そのやさしさが噛み合わなくなったとき、人は違和感を感じるのかな、って。 その違和感を消すために、その人がどう動くのか。 それは、その人にしか分からないことなんでしょうね。 分かり合えなくとも、自分の思いが相手に伝わらなくとも、相手が相手なりに私を思っていてくれる事を理解できたら、それができたら…。

胸の奥が痛くてたまらない。