つまらない住宅地のすべての家

20件の記録
- Ayako@aya_rb2025年7月5日また読みたい再読したなんとなく心が疲れているときの津村記久子さんの小説は、処方箋のようなもの。 何も読めない気がするけれど何か読みたい、そういう時に、読めるというだけじゃなく薬にもなる本があること、そのことに心底ホッとする。 再読でも新作でも、それは同じ。 ニュートラルでフェアで、でも安易に流れることのない津村記久子さんの小説が好きだ。 主体があると同時に俯瞰がある、平熱の中に揺るがない倫理がある、飄々とした中に必ず軸がある津村記久子さんの小説が、心から好きだ。 病めるときも健やかなるときも津村記久子、と勝手に思っている。 養生としての読書。 今回の再読もまた、滋味深い養生でした。
- いずみ@moritaizumi2025年7月3日読み終わった2025年7月読了本ある住宅地に住む人たちの群像劇。群像劇のおもしろいところは、角度を変えることで違うものが見えてくることのように思う。思いがけないところに話がつながって、続きが気になって仕方なかった。ただ途中で自分の気持ちが盛り上がりすぎて、ラストが綺麗にまとまってしまったような気持ちはある。
- しき@syiki2025年6月6日読み終わったご近所づきあいが避けられない狭い路地に集まる10軒の家。それぞれに視点を移しながらじわじわと話が進む。ゆっくりすぎる上に一家族ごとの話が短いのでどこにも入り込めず、ほんとに「よく知らないご近所さん」の様子を外から見ているみたいだった。後半から脱獄した女性の話が入ってスピードアップ。少しだけ乱される路地の日常。でもその「ほんの少し」が意外となにかのトリガーになっていたりするのがおもしろかった。
- 朝@asa_3332025年6月1日読み終わった膠着して全然動けないとか押し除けられない圧迫感だとか、息苦しくてなんとかしたいのにどう考えても抜け出せない、選択肢が見えない、みたいな状況が、ある地点でするするとほどけていつの間にか別のところにいる。人と接点を持つことで、意図せずそういうことが起こるってほんとにあるよね。そういうの、描くのすごいなあ。
- 本の影@toge2024年5月31日読み終わったある住宅街のある袋小路のある家々に住む人々の話。 少し変わってるようで、ありふれた問題や悩みを抱えて生きる人たち。それは自分たちにも通じる問題であり、だからこそ目をそらせない。どこかでこの日常を突き破る起爆剤を必要としているのかも知れない。隣人に興味を持つきっかけとなる一冊。