オクシアーナへの道

7件の記録
- Takaki Yamamoto@yama_taka2025年4月30日読み終わったブルース・チャトウィンが15歳の頃から「聖典」と呼んで愛読し、自身がアフガニスタンを旅するきっかけにもなった本。彼が『パタゴニア』を書いた時などには、バイロンのこの本の影響が少なからずあったであろうことが窺える。 1933年から34年にかけて、イランとアフガニスタンを旅した日々を日記体で綴った紀行文。バイロンの主な目的はイスラーム建築の探訪であったので、各地の建築物の様子は偏執的なまでに仔細に描写されていて、独特の美的感覚に基づく歯に衣着せぬ批評とともに綴られている(バーミヤンの大仏に対してもかなり手厳しい)。 ただ個人的には、そうした事細かな建築の描写や批評より、何気ない車窓からの風景に彼の心がふと揺れ動いた時の様子や、行く先々でありとあらゆる種類の災難に見舞われて右往左往させられる様子が(気の毒ではあるけれど)面白かった。ともあれ、今となっては貴重な記録であることは間違いない。
- ジジ📖@gg_books2025年3月20日読み終わった読書会課題本バイロンの少し風変わりな行動とか、血の気の多さにあきれたり、憧れたイスラム建築の描写の美しさ。ヒトラーを独特の感性で笑いものにしたり、結構暴虐無人だけれど、憎めない人柄であったり。 旅の終わりにはイギリスに戻って母の顔を見てほっとする気持ちも、哀しみの風が頬を撫でるのも共有できた。愛すべき旅行記である。