ビューティフルからビューティフルへ

18件の記録
- 4nil@4nil2025年4月13日読み終わったところどころにまぶされたサンプリングらしきものからしても著者は音楽好きなんだろうなぁと思って、音楽聴く感覚で読んだ。 ティーン小説としての構造の新規性は多分そんなに眼中に無くて、誰かが使ったメタファーは使わんという矜持や修辞の新規性というか、オレのリリシズムを見ろ!聴け!というエネルギーを感じた。1stアルバムの初期衝動。
- HIRU NE@hirune2025年3月30日読み終わった読みながら終始、自分の中になかった感性の連続に驚いていた。研ぎ澄まされた鋭い言葉の並ぶ様はまさに裏表紙にあるように“乱反射”。ヒリヒリとどこまでも安寧のない、寄る辺のない少年少女たちの心模様が交互に描かれる。解説もないままこちら側を置き去りにしてすごい速度で溶け合っていくような、トリップ感のある作品でした。 ーーーーーーーーーー (下記ネタバレあり後日追記) ビューティフルからビューティフルへ。言葉の芸術だと思って最後まで読んだけど、ラストの唐突なタイトル回収にクエスチョンマークな読後感だったが…今なんとなく腑に落ちた。 それぞれの目線で語る主人公3人はそれぞれ“生きるのが巧いのにずっとしにたい人”と“ずっと中毒的にビビッドに生を感じたい人”と“ずっと圧倒的主人公の前で自分を持たない人”と、全員タイプが異なりながらもアイデンティティに危うさを抱えているという共通点が。 しかしビューティフルという観点で見たら、それぞれに哲学を持って生きている。独自の哲学、それって捉えようによっては“ビューティフル”なのではないか…たとえ人から見たら薄汚かったとしても。“ビューティフル”それは絶対的な肯定。 結局のところ人は自分を、自身に与えられた道を、肯定していくしかない。自分を救ってあげられるのは自分。それは哀しさでもありチャンスでもある。過去も未来も肯定することができたとき、地面に足をつけて生きていけるのだろう。