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HIRU NE
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@hirune
インターネットでひとり雑貨屋さんを営んでいます。家で過ごす時間がなによりも大好きで、静かに本が読める時間はひそやかな贅沢。
  • 2025年4月14日
    かなわない
    かなわない
    写真家・植本一子さんのWEBで公開していた日記からまとめられたもの。母親としての何気ない生活の連続が記される前半、母親の役割を一切振り切るかのように一人の仕事人・女性としての日々が描かれる後半。   そのあまりのコントラストにどういう心持ちで読み進めたらいいのかと動揺した。私自身は母にならない人生を選んだが、知りたい作りたい表現したいという得体の知れない欲が内からとめどなく湧き出る感覚、そしてそれに伴い家庭という自分が主体となって守るべき場所がおろそかになってゆくもどかしさも痛いほど理解している。 波風のない現状維持こそが求められる家庭と、変化と上昇が常に求められる仕事や自己実現。女性にとって、その方向のまるで違う2つを自分の中に同居させることはなかなかにしんどく、切り離すことができない。作中にもあった「私が普通のお母さんになれていたなら」という一文に思わず息を呑んだ。この“普通”が難しい人もいる。 淡々と綴られているのになぜだか最後まで目の離すことのできない、鋭く生々しいエッセイでした。
  • 2025年3月30日
    ビューティフルからビューティフルへ
    読みながら終始、自分の中になかった感性の連続に驚いていた。研ぎ澄まされた鋭い言葉の並ぶ様はまさに裏表紙にあるように“乱反射”。ヒリヒリとどこまでも安寧のない、寄る辺のない少年少女たちの心模様が交互に描かれる。解説もないままこちら側を置き去りにしてすごい速度で溶け合っていくような、トリップ感のある作品でした。 ーーーーーーーーーー (下記ネタバレあり後日追記) ビューティフルからビューティフルへ。言葉の芸術だと思って最後まで読んだけど、ラストの唐突なタイトル回収にクエスチョンマークな読後感だったが…今なんとなく腑に落ちた。 それぞれの目線で語る主人公3人はそれぞれ“生きるのが巧いのにずっとしにたい人”と“ずっと中毒的にビビッドに生を感じたい人”と“ずっと圧倒的主人公の前で自分を持たない人”と、全員タイプが異なりながらもアイデンティティに危うさを抱えているという共通点が。 しかしビューティフルという観点で見たら、それぞれに哲学を持って生きている。独自の哲学、それって捉えようによっては“ビューティフル”なのではないか…たとえ人から見たら薄汚かったとしても。“ビューティフル”それは絶対的な肯定。 結局のところ人は自分を、自身に与えられた道を、肯定していくしかない。自分を救ってあげられるのは自分。それは哀しさでもありチャンスでもある。過去も未来も肯定することができたとき、地面に足をつけて生きていけるのだろう。
  • 2025年3月9日
    ハラヘリ読書
    ハラヘリ読書
    食の楽しみと読書の楽しみ、どちらも再発見できる一冊。料理の苦手な自分はいかに普段、食事を義務に感じてきてしまったのか…を、あらためて反省。食べること、そして文章を味わうこと。どちらも生きている間だけ許された、貴重で甘美なエンターテイメント。
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