刑事司法とジェンダー増補

7件の記録
- yo_yohei@yo_yohei2025年9月8日読んでるまだ読んでる@ シンガポール途中まで読んだ感想を。 この本では、実際に起こった性暴力事件を取り調べの段階から詳細に追っていきます。そこで描かれるのは、取り調べから判決まで、強烈な偏見のもとに進められ、スティグマが再生産されていく様子です。それはおそらく男性のみで作りあげたシステムだからでしょう。 例えば、取り調べでは、強姦が性的欲求の解消として行われた前提で話が進んでいきます。しかし、TBSラジオ「Session」の特集「もしも家族が、性犯罪の加害者になったら?加害者家族の支援の現場から考える現場と課題」でも触れられているとおり、性暴力は、性的欲求のみで行われるのではなく、複合的な快楽が凝縮されたものです。 また、当事件は、加害者が、女性に対する差別意識、性被害にあった女性は「汚らわしい」と考えるスティグマを利用していますが、司法の各過程で、加害性の追求として差別意識やスティグマに言及している様子はありません。通報妨害や隠蔽工作の一種として指摘されているのみです。また、検察も「強姦されたことで母となる夢を壊された」という被害者が言っていない事柄を論告するなど、スティグマを再生産し、スティグマをさらに強固なものにするように動いています。
- yo_yohei@yo_yohei2025年9月5日読んでる@ 自宅2024年末の性暴力事件の無罪判決に対して、さまざまな抗議が起こりました。 その抗議活動の一環として、change.orgでの署名が募られましたが、その署名の宛先が裁判官訴追委員会だったことから、過剰とも思えるほどの反発・難癖が巻き起こりました。一部の弁護士からは、揶揄や嘲笑まじりで、「裁判官訴追委員会への抗議は裁判官の独立を脅かすものである」「判決文を読まず、報道の内容だけで抗議をするのは適切ではない」という内容の投稿が数多く出されました。 私自身は、裁判官訴追委員会への抗議は不適切だったと思うものの、抗議は正当なものだったと考えています。そして、無罪判決を出した裁判所、及び抗議活動した市民を揶揄したり嘲笑したりした一部の弁護士には今でも強い不信感を抱いています。 そのような経緯から、この本を読み始めました。