犬のかたちをしているもの (集英社文庫)

50件の記録
ぐーぐー@guuuma_2026年10月6日読み終わったおもしろかった。 個人的にすごく身近な話だし、共感できた。 私も、子どもより猫のほうがかわいいと思う。 友達の赤ちゃんにすら何の興味も湧かない。 いや、興味があるから嫌悪しているわけで、かわいいでしょ見て見てって見たくもない写真を送りつけられて、くちゃくちゃの赤茶色な塊を見て「かわいいー!身体はどう?」と半分本当で半分嘘の言葉をLINEする。 LINEしながらたぶんもうこの子とは会わなくなるんだろうな、会っても子どもの話だろうし、上手く笑える自信がないし、とか考える感じを思い出して、あーすごくしんどいなと思った。 こうして本の中で、自分みたいな人がいると救われる。




ぐーぐー@guuuma_2026年10月6日読んでる「もしわたしが東京に生まれて、東京で育っていたら、もっといろいろ、考えないで済んだんだろう。それに男だったら、人生に起こったひどいことのほとんどが、なくなる。時々、そんな風に考える。」p.45 「友だちの赤ちゃんにすら、こんなに全然興味がわかないのって、もしかして心が冷たい証拠なのかな、と思い、思ったそばからばかばかしい、と思い直す。」p.64 「『子どもがほしいのと、子どもがいる人生がほしいのは、同じことだって思う?』」p.71 「どうしたら、愛していることが証明できるんだろう。ロクジロウを愛していると確信する気持ちと同じ強さで、きちんと、郁也を愛しているということを、セックスを手放した後でも、それ以前と同じだけ優しいままの彼に。郁也に対しても、自分に対しても。」p.79 「セックスをしないってそんなに、悪いこと?」p.92 「わたしのほしいものは、子どもの形をしている。けど、子どもではない。子どもじゃないのに、その子の中に全部入ってる。」p.131 「わたしは子どもより犬がかわいいって思うけど、郁也がもらえるなら子ども付きでもいいよ。それが別に、ミナシロさんの子でも、わたしの子でも、どっちでもいい。」p.141 「わたしがわたしであるというだけでは、多分じゅうぶんではないから、他のもので足したいと、思ってしまう。」p.144
- ふかふかページふかふか@Mt_b_page2026年9月3日読み終わった人から勧められて。 高瀬隼子を読むのは「おいしいごはんが食べられますように」に引き続き2冊目。 面白かった。 「おいしいごはんが〜」にもあった、人間関係や心理の微妙なひだ(痛い、苦い、あまり見たくない、妙に苦しい)をすくって描くのが上手で、ちりちりしながら目が離せない。 文も簡潔ですらすら読める。 著者は1988年愛媛県生まれ。本作でのデビューは2019年。 主人公の「わたし」も四国生まれ。歳の頃もそう変わらない。 おそらく、作家の経験した地方・東京の違いや、恋愛・性愛・妊娠出産・子どもを「もつ」ことへの考えが主人公に色濃く反映されている。 それがひとつひとつこちらの共感を引っ張り出す。 彼氏がした、恋愛感情のない浮気でできた子どもを、浮気相手の女性が主人公にもらってほしいと告げるところから物語が動き始める。 解説にもある通りかなり突飛な「非常識とも思える提案」(p.147)で、主人公もドトールの隣席客にSNSに書きこみされているかもしれない、と妄想してしまうくらい。 自分も妄想SNSレスポンスのように、「いやいやありえないでしょ、知らない女の産んだ子ども育てるとか」(p.18)と思った。 端的に言ってしまえば、男、メソってんじゃねえ!相手、わけわからん提案すな!である。 ところが、このわけのわからない状況が、主人公の停まっていた状況をじんわり動かして、「これまで考えすぎるほど考えてきたつもりなんだけど、振り返ってみると全然、目の前に置かれた課題の方がまだ全然、多い。考えたり、決断したり、結構、してきたつもりだったのに。」(p.108)と思わせる。 自分もそれなりに見たり見ようとしなかったりしたことを主人公を鏡に考えざるを得ない。 ミナシロさん(基本的にカタカナで書かれる。異星人のような、非人間的な雰囲気を出そうとしているように感じた)は最後に、やっぱり自分で育てようと思うとのたまる。 びっくりである。 主人公のこの数ヶ月はなんだったのか。 主人公は郁也がいないと生きていけないほどに好きで、でも病気で妊娠が難しいかもしれず、性交渉もどこか冷めている。郁也は主人公のことが好きで、そういうところも受け入れていて、でも子どもは欲しい。 生じてしまったねじれを、しかしどうすることもできない……? 「何をよすがに、何のために、何を言い聞かせてきれば、まるで自分のために生きているみたいに、息ができるんだろう。」(p.145) 子どもができれば、彼は喜ぶ。 子どもができれば、両親は喜ぶ。 では主人公自身は……? また、作者の狙いだとは思うが、初めての子で想像力が及ばないだろうとはいえ、子どものことを誰も人格ある人間として考えてないのがなかなかに怖かった。 今は胎児でも、成長するんだよ……?両親と自分の関係をどう説明するの……?と思った。 あえてなのかどうか、「心(こころ)」(※男児である)と相談なしに決めて、そして勝手に役所に届けを出したミナシロさんも凄かった。 文庫版で読んだのだが、表紙の白い犬の表情を断ち切っているのがすごい。 1枚めくるとかつて主人公に向けていたであろううるうるした黒い瞳が覗くのだが、表紙だけでは「犬のかたちをし」たものが何を秘めているのかはわからない。 背景も黒く、闇の中のふわふわは、我々に少し見えないところで、ずっと主人公を見つめている。

葉月@usagi_11092026年8月21日読み終わった『おいしいごはんが食べられますように』といいこの作品といい、考えさせられるテーマを描くのがなんと巧いんだろうか。 主人公は、恋人が違う女と作った子どもを「もらう」ことを選ぶ。子どもが好きだからとか、そういう単純な理由ではない。 女性としての役割、みたいなもの。女性にしかできない「産む」という行為。 恋人が自分から離れていかないよう繋ぎ止めるためのいわば「道具」。 「愛」ってなんなんだろう。 自己評価が低すぎて、「何か付加価値を」と求めているようにも思える。 「なんにも共通する所属がなくなった後で、それでもわたしと会いたいと思う人なんていないって、思う。」 この文章がそれを物語っている。


あさみ@asami01052026年8月12日すごく好きな小説になった 子供のことにまつわる葛藤にはめちゃくちゃ共感できるけど、自分はまたちょっと違う理由で悩んできた、というか悩んでいる。 郁也みたいな“優しい”人はいると思う。でも、やっぱり自分で育てたいと女性側に言われた時あんな人とは思わなかったという反応で、彼を嫌いになった笑。私はこういう人は無理だと思う。
プレモル@prmr542026年5月21日読み終わった年々積み重なっていく、うっすら抱いている違和感や不快感を全部言い表してくれていて驚いた。 色んな方の感想を見ていると、共感の程度はあれど、これもしかすると同世代のそこそこ多くの女性が感じていることなのかなと思う。 それにしても私は、そんなやつさっさと別れてその人たちと関わるのやめたほうがいいよ…と思ってしまう。 きっと女性の読者が多そうだけど、男性が読んだら何を感じるのかなと気になった。 女性が選択を迫られるたくさんのこと、身体にかかる負担のこと、それによって諦めたり、諦めることで他人と比べてしまうこと、それらについて少しでも考えを深めてもらえたらと思った。
喜多一馬@ktkzm2025年10月28日読み終わった彼氏が金で関係を持った同級生との間に子どもができて、受け取ってくれませんか?という展開に巻き込まれるお話。設定がなさそうでありそう、ありそうでなさそう、絶妙。そして、主人公の心理描写がとてつもなく繊細。うまく言語に出来ないような感情をとても丁寧に、かつ、「わかる!」という風に書いてはる。

盛り@fzke03152025年9月26日読み終わった女性の出産、子育て、恋愛。男女の性愛についてするかしないか、どの道を選ぶかすごく考えさせられる。 自分としては性愛はなくても良いんじゃないかと思っているから主人公の性愛がなくても愛したい姿勢に共感できる。が、それも一筋縄ではいかなくて、みんながみんな性愛なしでも良い人ではないし、世の中の「普通」としてないのはあり得ないみたいな、ぐるぐる思考が回って落ち着かない。 結婚や恋愛、女性のライフステージに悩んでいる人が読んだらものすごく共感するか嫌すぎて読めないかのどちらかのような本だと思った。


- りん@libra08252024年5月27日借りてきたまたいつか2024年ベスト読んだのはハードカバー版。でも文庫として持っておきたい一冊かも。 "わたしは郁也がいないと生きていけない。郁也のようにわたしのことを理解してくれる人は他にいない。「すがり付きたいと思っている」。完璧な明朝体でもって、わたしの頭の中に言葉が浮かぶ。"
湯の本棚@y_book222023年3月1日かつて読んだきつい、けっこうしんどい本だった。 読んでて、せかせかどうするのどうなるの、ってなってる自分がいた。 そうだよね、とも思うし、 なんで、とも思うし、 気持ちが焦って、そわそわした。 - 時々わたしのことを考えてくれますように。であるも、考えなくても、いいよ。そんな気持ち。 - 自分には何も返ってこなくていいから、この子にいつもいいものがありますように。気になるにおいのする電柱や、草の間から飛び出してくるバッタ、飛び込みたくなる大きな水たまりのようなものが。どうか、雨の日よりも晴れの日が多くありますように。こわい夢を見ませんように。おいしいものが食べられますよう







































