南洋人民共和国備忘録(サイノフォン2)

南洋人民共和国備忘録(サイノフォン2)
及川茜
松浦恆雄
濱田麻矢
王徳威
福家道信
高嘉謙
黄英哲
黄錦樹
白水社
2025年10月30日
11件の記録
cookingalone@cookingalone2026年2月21日読み終わった寝る前にちびちび読んで、1ヶ月くらい過ごしたが、驚嘆すべき短編が幾つもあり、衝撃的。 マジックリアリズムが近代のメディアたる小説の器にもられた前近代を描いたとすれば、この小説は、マレーシアの華人が主となった共産党(マラヤ共産党)に関わった人の生き様という近代の夢(いい意味でも悪い意味でも)をポストモダンの手法で前近代のOSに載せて描いたというか、中華文学の空気感をマレーシアという東南アジアの風で吹き飛ばしつつ、中華の香りを残すというか、いや、もう分からん。全く新しい経験。
Sanae@sanaemizushima2025年11月13日読み終わったサイノフォン第一弾でマレーシアの華人についての小説を読んで以来、興味を持ち、今回楽しみにしていた第二弾。 台湾や香港の中国語は日本人にとって馴染みがあるものだけど、マレーシアやシンガポールの人の話す中華世界ってなんだかイメージが湧かない。 それがまた人民共和国→共産主義という、今は活動していないマラヤ共産党にスポットが当てられている。 作家は名前からもわかる通り華人で、マレーシア生まれで現在は台湾に住んでいるという。 マラヤ共産党は日本占領時に抵抗して戦った人たちであり、独立時にも戦い政府には負けている側なので、なんとも悲しくジャングルでの戦闘は本当に泥々としていて、憂鬱になる。 ”蘭“と名前につく女性が多く出てきて、心が真っ直ぐ強かったり、魅力的に描かれていたり、状況が状況なので皆幸せではない。しかしじっと耐える姿や悲しみと向き合う姿が印象的だった。 実在した人物も織り交ぜられて書かれており、どこまでが事実でどこからがフィクションなのか、知識が乏しい分判別がつかなくて混乱するところも多かったが、興味深く読んだ。 華人だからなのか、中国の小説が持つ独特の空気感(わたしが勝手に感じているもの)がこの作家にもあった。中華文学の世界も広いことを知らせてくれる。













