群像2025年12月号

12件の記録
Rica@rica_bibliotheca2025年12月18日読み終わった図書館本今号の保坂さんの「鉄の胡蝶〜」とてもよかった! いつもいいのだけど、よりいっそう. 保坂さんの文章にふれると、視界がぱあっと明るく拓けていくようで、思考も気持ちものびやかに拡がってがっていく. ____________ 「.....お前は大怪我をして病院に担ぎ込まれた、この状態では両脚を切断しなければならない、それとも両脚を残して三日間痛みにあえぐことになるか、三日間痛みにあえいでも命が助かる見込みはせいぜい20%だ、、、さぁどっちを選ぶ、と言われた時も、お前はフーコーを読むと言うのか?」私はフーコーを読む、 ____________ 人の活動を1本の整理された流れや道のように考えてはいけないのだ。というか、そういうイメージをした段階で、既に人の全身の活動ではなくなっている、それはただの言葉だ、 ____________ 自然と関わるのは理解しようと言う思考ではダメで理屈によってどうとかするのを捨てるみたいなことを私は多分考えているわけだ、 ____________



Rica@rica_bibliotheca2025年12月15日読み始めた図書館本保坂和志「鉄の胡蝶は歳月に夢の記憶に彫るか」がお目当て. 他には奈倉有里、くどうれいんも毎号の楽しみ. 今号は須藤輝彦「運命の文学史」で古代ギリシアのホメロスが取り上げられておりトキメく. ぱらぱらと頁をめくり、いったりきたりしながら、たまにおお!という出逢いがあるのが、文芸誌のおもしろいところ、好きなところ.
橋本亮二@hashi_shi2025年11月21日読んでる綾木朱美さん「恥の龍」読了。群像新人文学賞受賞作『アザミ』に続く二作目。二人称を主軸としながら、視点はずらされ、ときに混ざり合っていく。わたしがあなたを見ているのか、あなたがわたしを語っているのか。流れている音はずっと静かなままで、絶望とも思える無音の時間もあった。解釈はまだしないでおこう。ゆっくり頭のなかでたゆたわせ、歩きながら反芻する。




Blueone@bluestuck42025年11月16日読んでる「ニューヨーク滞在記」(平野啓一郎)、「りんごのくしゃみ」(伊藤亜和)、「旅する芸人」(九月)、「丁寧な暮らしの哲学(6)」(戸谷洋志)、「世界は誤訳でまわってる」(ブレディみかこ)を読んだ。 ーーー テーマがあるけれど、その主題になかなかたどり着かないっていうのを平野啓一郎がやっていて、普通に楽しい。パリ、ニューカレドニア、巨体すぎたプロレスラー、サミュエル・ベケット。 ーーー 「丁寧な暮らし」とはなんなのか。なんか全然考えたこともなかった話が展開されていて、面白かった。 1)どれだけ外部から干渉されようと、自らの生活様式を守り、丁寧にアイロンをかける。生活でもって、社会における官僚主義的規範に抵抗する。 2)でも、同時に丁寧な暮らしとは、自らを管理するという「はぐれ官僚性」の側面を持つ。無心の状態をもたらす。(稲垣諭) 3)でも丁寧な暮らしとは、ものとの対話を開くものでもある。官僚制の最もたるアウシュヴィッツでは対話など存在しえない。そういう意味では、むしろ反官僚主義的な一面も備えているはずだ。
橋本亮二@hashi_shi2025年11月11日読んでる『群像』12月号。昨夜、市街地ギャオさん「アニマル・フーガ」を前のめりに読んだ。読まれてほしい。梅田のコメダで茫洋たる思いで井戸川射子さん「永遠を囲う壁」として綴られたテキストを目で追う。〈色なんかは銀色が最も美しいですよ、周りを映して。〉 こんな言葉に出合えるからここにいる。





Ryu@dododokado2025年11月7日買った読んでる井戸川射子「永遠を囲う壁」 小学校の頃は折り紙クラブで、色なんかは銀色が最も美しいですよ、周りを映して。幼い頃は蟹捕りも得意でした、干潮の春の海で岩をどけると、蟹と羽虫がぶわっと、地が浮き上がりとぐろを巻く、海の砂は掘るとすぐ違う地層が現れましたね。私が蹴れば岩は、自分が伏して覆える程度の地しか守れない、という風に転がっていきました。窪みに満タンの水に、手を入れれば水が水から浮き出ました。これは断酒会での挨拶でしょうか、私の依存先といえば酒だけですから、酒は逃避以上ですから。電車内で倒れたことも何度もあり、地下鉄の床には時々外の、トンネル内の光が走るでしょう、あれいつも、犬が通り過ぎたのかと思って驚きます。少量吐いたりもしてしまってね、食べ物は、食べればなくなるその瞬間というのはないですね、残り続けるのだから。酒なんかずっと口に残りますね、このずっとは、永遠という意味ではありません、ずっとと呼べるくらいの雰囲気の範囲です。(210)








