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@NEK0CAT
大学で日本文学を専攻しています
  • 2026年7月10日
    土の中の子供
    土の中の子供
    主人公が求めていたものは克服だった フラッシュバックを繰り返す彼は、恐怖を作り出すことで意識の底にあるものと対峙し、乗り越えようとする しかし意識下にある希死念慮からは逃げきれていない 最終的に、父親の存在を自分の中で無かったものとする それによってトラウマを克服できたように描かれており、私は希望小説だと読んだ 自分の人生を自分で生きる、そんな希望をもらえた作品
  • 2026年7月8日
    何もかも憂鬱な夜に
    自殺した友人、真下のノートに以下のような記述がある 「たとえばこんなノートを読んで、なんだ汚い、暗い、気持ち悪い、とだけ、そういう風にだけ、思う人がいるのだろうか。僕は、そういう人になりたい。本当に、本当に、そういう人になりたい。これを読んで、馬鹿正直だとか、気持ち悪いとか思える人に……僕は幸福になりたい。」 昔の自分を見ているようだった 自分は異質な存在で、自分の中にある暗い気持ちは、普通の人の持ち合わせていない、気持ち悪いものだった 自分のような人間の存在を理解できない人はなんて幸せ者なんだろうとまで思っていた そんな昔の自分までも救ってくれるような作品だった  主人公たちが保護されていた施設の施設長の発言は、彼らだけでなく読者である私たちにまで救いの手を差し伸べてくれた メタ的なことを言ってしまうが、著者である中村文則氏は、作中で「見返せ」と言いがちであるように思う 氏と、氏の脳内を代弁した施設長は、私に力強く生きる術を教えてくれるように思った
  • 2026年7月5日
    スワロウテイル
    元々は映画「スワロウテイル」の企画書として執筆されたたものだという 映画版を見てから、企画書を読むスタンスで読むとより面白いと思う 昔映画で観て胸元に蝶のタトゥーをいれたくなったのを思い出した タトゥーをいれることは、アゲハが言うように、魔法をかけるようなものなんだろうなと思う
  • 2026年7月2日
    ペンギン・ハイウェイ
    小学生の頃の夏休みの空気感漂う作品 私も主人公であるアオヤマ君と同様、冒険に出かけたことを思い出した そんなアオヤマくんの住む街には、ある日ペンギンが現れる アオヤマ君は歯医者に勤めるお姉さんがペンギンを作り出すのを目撃する 本作はそんなアオヤマ君がお姉さんを研究するという物語である 夏前に読みたい感じ
  • 2026年6月20日
    地球星人
    地球星人
    「本当に怖いのは、世界に喋らされている言葉を、自分の言葉だと思ってしまうことだ。」 自分は普通で、周囲がどこかおかしいというのは、田舎出身の自分にも刺さる話だった 勉強することが悪とされていたり、自他境界がなく執拗に干渉されたりと、私が田舎で経験したいやだったことたち、そしてそれにより不調をきたしてしまったことを思い出した 本作にでてくる「宇宙人」たちは「工場」からは逃げきれていない  最終的に彼らは、逃げるのではなく復讐を果たしてしまい、完全な「宇宙人」となった 現代を生きる私たちは、多様性という言葉により「工場」に直面する機会が減った しかしその一方で、未だ多様性を理解できていない人が存在することも知っている 「多様性を受け入れないという多様性もあるのでは」という声もあるが、それは多様性ではなく排除である 多様性がより広範に受容され、生きやすい世の中になることを望んでいる
  • 2026年6月14日
    永遠の0
    永遠の0
    歴史の授業で習った史実の、その陰惨な内情が描かれていた 戦争を知らない私はあまりの凄惨さに閉口した 改めて、いまこうして生きていられているのは先人の方々のおかげで、国のために戦った兵士たちに敬意を払わなければならないと感じた 10年以上前に映画で観たことがあったけれど、当時小学校低学年だった自分には難しかった 大人になってから子供の頃に触れた作品にもう一度触れてみると面白い
  • 2026年6月6日
    夜のピクニック
    高校生の頃の対人関係の緊密さを思い出した 私はどちらかというと人と関わる時はある一定の距離を保っておきたいから、大人になった今の方が生きやすいが、それはそれとして、子供の頃のあの距離感を思い出し、ノスタルジックな気持ちになった 就活で自分のことを見つめる時間が多くてしんどくなってしまっていたから、本作で主人公たちが自分と向き合う姿を、頑張れと応援しながら読んでいた
  • 2026年5月23日
    完全自殺マニュアル
    「僕の知人に、それを飲んだら平気でビルから飛び降りちゃうほど頭の中がメチャクチャになっちゃう”エンジェル•ダスト”っていう強烈なドラッグを、金属の小さなカプセルに入れてネックレスにして肌身離さず持ち歩いている人がいる。『イザとなったらこれ飲んで死んじゃえばいいんだから』って言って、定職になんか就かないでブラブラ気楽に暮らしている」 思い詰めてしまうのは逃げ道がないから その逃げ道の一つが自殺である 本作は自殺をテーマとしながらも、生きるための逃げ道を示唆してくれている 人間は案外簡単に死ねてしまう存在であり、いざとなれば死ねるのだと理解しておくことは、生きることの閉塞感を緩和する だから、本作に著されたノウハウは、ストレス社会を生きる私たちにとっての一種のお守りのように機能していると思った
  • 2026年5月10日
    村上龍映画小説集
    「それをやってれば、どこにも行かなくて済むっていうものを見つけなさい、それができなかったら、あんたは結局、行きたくもないところへ行かなくてはいけない羽目になるわけよ」 『限りなく透明に近いブルー』と横繋がりの作品 70年代の日本の、社会の輪の外側にいる若者たちが描かれている 映画にまつわる記憶についてが描かれていて、私も作品に記憶を閉じ込めていきたいと思った
  • 2026年4月26日
    69 sixty nine
    69 sixty nine
    「人間は何にでも慣れるもんなんだね、手術にも麻酔にも、意識不明にも、慣れたよ、それで、ボクは、まあいいや、と思った、例えば、夏には、きれいなヒマワリやカンナが咲く、それを見るだけで、まあいいや、と思うんだ」 暗く反省しても誰もついてこない その通りだと思った  人生を楽しむコツはそこにあるんだろーな
  • 2026年4月4日
    新装版 コインロッカー・ベイビーズ
    コインロッカーの外にはみたことのない世界が広がっているという希望 そしてコインロッカーをダチュラで爆破し、外へ飛び出す ハシはもう一度産まれたのだと思う 私もこのように生きたいと思った
  • 2026年3月24日
    落日
    落日
    人の営みは日が昇って沈むのと同じである 本作ではその中でも落日にフォーカスされていた 暗い内容だけれど、青春残像が垣間見えてどこか清々しさを感じた
  • 2026年3月3日
    14歳からの哲学
    「自分」というとき、それは脳や顔、体のどこかを指しているのではなくて、それらの総体をそう呼んでいるのだと思った 14歳からの、といえども決して簡単に書かれているわけではなかったが、なんとなく聞いたことのある学説が専門用語を用いない平易な言葉で書かれており読みやすかった
  • 2026年2月22日
    真夏の死
    真夏の死
    「翼」が印象的だった 互いに好意を持つ男女があるときそれぞれの背中に翼の存在を感じるが、その真相を確かめられないまま一方が空襲により死んでしまう その際の描写がとても良い
  • 2026年1月20日
    銃 (河出文庫)
    銃 (河出文庫)
    「銃」のラストの後味の悪さがそのまま「火」に持ち越され、引き摺り回され、気持ち悪さが充満しており良かった 特に「火」は家庭環境の再生産の話で、田舎出身の私がこの目で見てきた光景が描かれていて、現実とリンクした気持ち悪さがあった
  • 2026年1月10日
    瓶詰の地獄
    瓶詰の地獄
    死の香りがするロシアものの作品群 「死後の恋」の森林の中の場面の緩急具合が好きだった
  • 2026年1月1日
    イン・ザ・ミソスープ
    リスクを負うことを避け、ぬるま湯に浸かっている私たちは、まるで多様な食材が放り込まれた「ミソスープ」の中にいるようである
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