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桃缶
桃缶
@mel0co
本をもっと読みたいとおもって始めました❗️クィア、フェミニズム、障害学などに興味があります。
  • 2025年7月25日
    回復する人間
    回復する人間
    「菜食主義者」が面白くて読み終わった後すぐ購入した「回復する人間」読了。 裏表紙に書かれた、文芸評論家シン・ヒョンチョルさんの言葉通り〈傷と回復〉をテーマにした短編集でした。 主人公たちはあらゆる傷(肉体的なもの、精神的なもの問わず)に抗い、または受容しようと努め、もがく。ほとんどの話で傷がすべて解決するわけではなく、しかしこれからも傷を負ってままならないからだを生きていく。 自分には精神障害があって、ここ数年は朝起きられず、思った通りに行動することがままならないことが課題だった。 最近、主治医の薬の調整や自分の努力によって、なぜか朝すっきり目覚められる日が増えて、不思議な気持ちでいる。 この本を読み進めている最中に朝起きられるようになったことで読書の時間が増えて、やっと読み終えることができた。 そのおかげで主人公(特に火とかげ)と自分を重ね合わせ、自分にとって精神障害とは傷であり、ほんのちょっと回復をしたのだということが理解できた。 ドイツの哲学者、アルフォンス・デーケンが遺族の悲嘆のプロセスは12段階あると提唱しており、それは全て順番通りにいくわけではないし、心理的に回復したと思ったらまた元の状態に戻ることもあると聞いた。 回復とは一筋縄ではいかない。それぞれのラストの後、また辛い思いをするかもしれない。だが、生きていくこと自体が傷に対する抵抗になり得るのだと思う。 長々と回復について語ったが、「左手」の主人公のラストは例外だ。悲惨で、回復ができない取り返しのつかない最期だが、わたしはこの仕事にも家庭にも鬱憤を抱えた男性像と、寄生獣のミギーのように勝手に動く左手に好感が持てる。左手は彼の秘めた欲望を体現するような存在であり、社会の倫理と衝突し結局は自滅する。その哀愁がマチズモを感じて、個人的には好きだった。 次にハン・ガンさんの作品を読むなら「少年が来る」を読みたいのだが、一昨日読みたかった本を3冊も買ってしまったので、消化してからにする。
    回復する人間
  • 2025年6月15日
    利己的な遺伝子 利他的な脳
    利己的な遺伝子 利他的な脳
  • 2025年6月15日
    PINK BLUE ピンク&ブループロジェクト
    PINK BLUE ピンク&ブループロジェクト
  • 2025年6月15日
    仕事文脈 vol.26
    仕事文脈 vol.26
    仕事文脈vol26読み終わった。 きっかけは藤岡拓太郎さんのエッセイが読みたくて買ったけど、全部の文章が面白かった。 特にニイマリコさんの推し活についてから始まる話が、自分にとっての坂本龍一と被った。坂本龍一はもう亡くなってしまったし、もうわたしがインタビューをすることなんてできないんだけど。でも坂本龍一の死後、坂本龍一公式インスタグラムが「龍一自身がそうしたように、ブライアン・イーノを支持する。」とブライアン・イーノを支持するポストをしていて、感動したことを思い出した。坂本龍一の遺した足跡を辿ったり、新しく明示されるたびに、または坂本美雨や空音央の、父親に対するリスペクトを感じる作品たちを見るたびに、いなくなってもそれが1番のファンサービスだし、推しててよかった!と思う。自分の言葉で表現したらすごく軽い言葉になってしまった笑 少し話が変わるが、最近YouTubeで悲惨な事故や事件のニュース動画を観ることが多い。そういったニュースで語り部として登場する被害者、被災者は、まとめてしまうと「自分には得はなくても、しんどいことを思い出して辛くても、自分のような体験をする人を減らしたい。」という旨のことを言う。メディアで取り上げることを許可した人たちだから、生存者バイアス的にそういったことを言えているのではないか、と思わないでもないが、その人たちの取り組みは立派で、社会的な人間たちの利他性をすごく体現していると思う。 「不安でも、私たち、できることをするしかないよね。」という台詞が「仕事文脈vol26」の90pからの小説「離乳」(著者兼桝綾さん)にある。主人公はすぐ「そんな気軽に、ほんとうにわかってるのかよ。」と思う。主人公の気持ちが痛いほどわかった。リベラルなアクティビストはいつも綺麗事を言っている。本当にわたしの苦しみをわかってるのかよ、と怒りを感じることもある。それでも、不安でも、綺麗事でも、わたしたちみんなで生き残るためには、自分にできることをなるべく声を上げて地道にやっていくしかないのだ。と思う。すぐ結果がでなくても、地味でも、自分に徳がなくても、一生のうちで望みが叶わなくても、とりあえず自分のやってることが何かの轍になっていると信じて励ましてやっていくしかないのだ。と最近思っている。 あと上記の話からは逸れるのだが、「幸せになる方法を知っている、ないのは資本だけだ」という、セックスワーカーのきなこもちさんのエッセイが、セックスワークがどうなっていくかという社会からのマクロな視点と、友人と連帯して幸せになる方法を知っているというミクロな視点を持っているバランス感覚がとても面白く、もっときなこもちさんのエッセイを読みたいし、セックスワークについてより知りたいと思った。最近そのこともあって広告で出てきて気になったセックスワークの漫画を読んでいるのだが、これってよくないな、ゆくゆくはちゃんと本で詳しく学ばなきゃとも思っている。読みたい本が多い。Xなんか見てる場合じゃない。
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