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@naschoko
2026.01-📚️
主に小説を読みます
読んだ本の内容と感想メモ
- 2026年7月1日
- 2026年6月30日
Goldstrand: Roman | Ausgezeichnet mit dem Preis der Leipziger Buchmesse 2026 (Belletristik) (German Edition)Poladjan,Katerina読み終わったKindleドイツ語2026年のライプツィヒ・ブックフェア賞受賞作。 ローマで暮らす映画監督のEliはカウンセラーであるDottoressaの元で自らの人生を振り返る。 映画のような本という印象。Eliの語る内容は過去に起きたことなのかそれとも彼の創作なのか、記憶と幻想が入り乱れ混じり合うような感覚。 孤独と喪失に満ちたEliの人生を描いているが、物語全体の印象は暗くはない。明るいとまでは言えずともどこかカラッとした雰囲気がある。感情的になりすぎず登場人物の感情から一定の距離を保っているようにも感じられる。 すべてが言葉ではっきりと語られているわけではなく謎めいている部分が多いせいか、正直どう解釈すればいいか悩む箇所も多い。 - 2026年6月28日
台湾漫遊鉄道のふたり三浦裕子,楊双子借りてきた読み終わった昭和十三年、日本統治下の台湾。巡回講演会のために招かれた日本人作家の青山千鶴子は台湾人通訳の王千鶴と出会う。台湾縦貫鉄道で各地を巡る二人の約一年にわたる交流の物語。 ライトな文章とわかりやすいキャラクター、そして台湾グルメが満載の本。 明るく豪快な千鶴子と控えめな千鶴。 千鶴子は確かに持てる者の独りよがりな傲慢さのある人物だけれど、真っすぐでやはり「いい人」なのだと思う。千鶴子との間に線を引きつつも嫌いになれなかった千鶴の気持ちもわかる。 統治者である内地人と被統治者である本島人の間にに「平等な友情」は成立し得ない。ただ、たとえそれが千鶴子の望んだ「友達」という関係ではなかったとしても、お互いがお互いにとって特別な人であったんだろうと思わせてくれる物語だった。 「この世界で、独りよがりな善意ほど、はた迷惑なものはございません」 - 2026年6月23日
冒険者カールの地球ダンジョン 1マット・ディニマン,中原尚哉借りてきた読み終わった宇宙人によって人類はほぼ滅亡、地球は全十八層からなるダンジョンに作り替えられてしまう。ダンジョン探索は星々に生配信されており、偶然生き残った主人公は元カノの飼い猫とともに探索者としてダンジョン攻略に挑戦する羽目になる。 さくっと読めるエンタメRPGノベル。 開始から10ページにも満たない間に人類が滅び、上は革ジャン、下はパンツ、足元はクロックスという訳のわからない格好でダンジョンに挑む羽目になる主人公カール。ダンジョンで遭遇する敵やどんどん減っていく生存者の数に葛藤する誠実さがよい。 高貴なお猫さまプリンセス・ドーナツとその護衛カールのやり取りも楽しい。 難点は1巻終わりの時点で第一層攻略までしか進んでいないこと。先はだいぶ長い。 - 2026年6月20日
その可能性はすでに考えた井上真偽読み終わったKindle十年以上も前に起きた新宗教団体の集団自殺事件。その唯一の生き残りである少女が事件の真相解明を探偵に依頼する。 探偵の目的が事件を解決するのではなく、「奇蹟の存在証明」であるというのがユニーク。 複数の相手がトリックの可能性を提示し、それに対して探偵が反証を挙げるという形で話が進む。提示しされるトリックは可能性さえあればOKというものなのでもやっとする箇所もあるけれど、ミステリの"how"が好きな人にはよいかも。 キャラクター造形はちょっと極端すぎるかな… - 2026年6月19日
Dunkle Momente: Roman (German Edition)Hoven,Elisa読み終わったKindleドイツ語邦題:暗黒の瞬間(エリーザ・ホーフェン/浅井晶子) 刑事事件を担当するベテラン弁護士である主人公がそれまでに携わった9つの事件について語る連作短編集。 著者は刑法学者でありザクセン州の憲法裁判所の裁判官。法律家であり作家、ドイツ、法廷モノとくるとやっぱりフェルディナント・フォン・シーラッハを思い出してしまう。 法を枠組みと捉え、淡々と硬質な語り口で物語を綴るシーラッハとは異なり、愚かさや弱さ、そして悪意といった人の感情を中心に据えている印象。 著者によると作中で語られる事件は実際の裁判や出来事に着想を得たとのことだけれど、フィクション感が強いように感じる。中にはさすがにそれは…と思ってしまうやや突拍子もないものも。 印象深いのは"Salz"(『塩』)。無罪判決は万人にとって望ましい結果とは言えず、刑罰により救われることもある。 ドイツと日本の法制度の違いが興味深い。 - 2026年6月13日
乱歩と千畝青柳碧人借りてきた読み終わった江戸川乱歩と杉原千畝。同じ学校、大学に在籍していた二人がもし若い頃に出会っていたら?という仮定のもとに描かれるフィクション。 作家と外交官というまったく違う道を進んだ二人が迷い憤りつつも、人に恵まれ生き抜いていく姿が眩しい。 各エピソードがさらっと進みすぎてしまう感は否めないけれど、爽やかな読後感でよかった。 横溝正史や松本清張といった作家たちが登場するのも楽しい。 - 2026年6月10日
今日未明辻堂ゆめ読み終わったKindle日頃よく目にする、読んでもすぐに忘れてしまうようなありふれた三面記事。そんな小さな事件や事故が起こるまでの経緯を描いた短編集。 5つの話すべてがニュース記事から始まる。平和な毎日、順調な人生があっという間に暗転していく。どの話にも哀しみがあり、そして悪意もある。『そびえる塔と街明かり』はあまりにも辛い。 - 2026年6月8日
タイム・シェルターゲオルギ・ゴスポディノフ,寺島憲治借りてきた読み終わった認知症やアルツハイマーを治療する「過去のためのクリニック」。ガウスティンとその助手である語り手はいつくもの時代を再現し、匂いや物語を集め、過去をよみがえらせ始める。 とてもよかった。 認知症などにより失われる個人の記憶と、「輝かしい過去」へのノスタルジーといった集団の記憶という二つの「記憶」が軸。 第一章では個人の記憶が断片的に語られる。順序立てて語られるわけではなく、輪郭が曖昧なまま話が進んでいく。過去があたかも無害であるような顔をしてじわじわと広がっていく様が不穏。 第二章以降は雰囲気が一変する。過去はすでにあらゆるところに忍び込んでいて、欧州各国は「過去を選択する国民投票」によりどの年代に回帰するかを選ぶことになる。 過去へ戻ることで記憶をなくし、それによって未来までもが失われる。ポピュリズムが台頭する今、過去が蘇って世界が崩壊していく様子には考えさせられる。「記憶喪失で最初に消えてなくなるのは、未来の観念そのものである」という一文がいい。 祖父母が亡くなり両親も高齢となった。私の子供の頃を知っている人がいなくなったら、私個人の過去はどこへ行くのだろうか?「個人の記憶」のエピソードもいつかは訪れる未来であり身につまされる。 - 2026年6月3日
謎の香りはパン屋から土屋うさぎ読み終わったKindleパン屋でアルバイトをする主人公が身の回りのちょっとした謎を解くミステリ。 かなりほのぼのとした日常系ミステリ。謎解き部分はちょっと強引な印象もある。 パンがとても美味しそう。カレーパン食べたい。 - 2026年5月28日
土人形と動死体円城塔借りてきた読み終わった魔術師であるノーシュが魔法が使えない弟子エスノダのために魔術を世界から消し去ろうとする表題作『土人形と動死体』から始まる15編の物語。 出だしはRPG、徐々にSFに移行し、最後はメタフィクションに着地したという印象。 わかるようなわからないような、言語化しきれない部分もあるけど面白かった。 魔術というより科学、コンピュータについての話?管理者権限を持つノーシュによるOSの書き換えか?などと色々考えてはいるもののまだまだ消化しきれていない。 物語の最後、読み手に選ぶことでエスノダに魂を付与しようとしたノーシュと、ノーシュとともにお話の中に在ることを選んだエスノダがいい。 - 2026年5月20日
記銘師ディンの事件録 木に殺された男ロバート・ジャクソン・ベネット,桐谷知未借りてきた読み終わった神聖カナム大帝国の辺境で技術省高官が体から巨大な木を生やした姿で死んでいるのが見つかった。司法省捜査官アナと新人助手ディンが事件の捜査にあたる。 目隠しをして基本的に部屋から出ない変わり者の上司アナと、見聞きしたものすべてを記憶する記銘師ディンのコンビがいい! 帝国を脅かすリヴァイアサンや高度に発展した生体改変技術などファンタジー(SF?)要素が強め。世界観がしっかり作り込まれていて固有名詞も多く、ちょっと面食らったが慣れてしまえば面白く読める。 殺人ミステリとしてはやや物足りない気もするけれど、帝国やアナに関する謎がまだ隠されていそうなので次作がどうなるか楽しみ。 - 2026年5月9日
存在のすべてを塩田武士読み終わった神奈川で起きた二児同時誘拐事件。 一人は保護されたが犯人逮捕には至らず時効を迎えた。もう一人の被害男児は三年が経ったある日、突然祖父母のもとに現れる。事件から三十年後、新聞記者の門田は旧知の刑事が亡くなったことを機に改めて事件について調べ始める。 『踊りつかれて』を読んだとき、社会派小説かと思いきや人間そのものを描いた作品なんだなと思った。 『存在のすべてを』も事件そのものというよりはその裏側、そこで生きてきた人たちに焦点を当てた作品だと思う。「空白の三年間」は彼らにとって、確かにそこに在ったんだと。 読み終わってから振り返ると、これ以上なくしっくりくるタイトルだった。 - 2026年5月6日
NSA - Nationales Sicherheits-Amt (German Edition)Eschbach,Andreas読み終わったKindleドイツ語邦題:NSA(アンドレアス・エシュバッハ/赤坂桃子) 1941/42のワイマール。 もし第二次世界大戦中のドイツにコンピュータがあったら?インターネット、Eメールや携帯電話があり、そしてそれが監視されていたら?という仮定に基づく歴史改変SF。 SFというわりにはサイエンス描写が少なく、ディストピアものといった印象。 インターネットを駆使した情報戦、あらゆる消費行動が記録される電子決済などは現代社会そのもので、行きすぎたテクノロジー依存社会や全体主義国家による監視への警鐘を鳴らすものと感じた。 ナチ政権下の人種、性別による差別など内容盛りだくさんなせいかちょっと長い(原書は約800頁、邦訳は約1000頁…)。 - 2026年5月5日
フォース・ウィングー第四騎竜団の戦姫ー 下レベッカ・ヤロス,原島文世読み終わったKindle書記官を目指していたはずが、軍司令官である母親に竜騎手となることを強いられる主人公の命懸けの戦いと恋の物語。 話の展開が早くてさくさく読み進められる。とにかく派手でドラマティックな展開なので映像化したら面白そう。 翻訳のせいなのか原文のせいなのか描写がわかりにくい箇所が多いのがやや引っかかる。 - 2026年5月2日
フォース・ウィングー第四騎竜団の戦姫ー 上レベッカ・ヤロス,原島文世読み終わったKindle話題のロマンタジーというジャンルを一度読んでみようかと思って手に取った本。 予想以上に殺伐とした世界観で容赦なく登場人物が退場していく… - 2026年4月30日
レテの汀雛倉さりえ借りてきた読み終わった物心つく前に起こした出来事により罪の意識を抱えて生きる主人公が、甥とともに母の故郷である与那国島へ旅をする。 一度起こってしまったことは決してなかったことにはならず、償うこともできない。 真に赦されることがないのなら、人はどのように生きるべきなのか。 救いもなく、解決も存在しない。何も変わらなくても傷と一緒に生きていくという主人公の選択に仄かな光を感じる。 静かであたたかな物語だった。 - 2026年4月19日
吸血鬼遠野遥借りてきた読み終わった女性は中学に入ると容姿により「おひつじ」から「うお」までの12等級に順位付けされ、国が作成する「目録」に掲載される。一方、男性は社会的地位や財産により順位付けされ、上位の者から順に「目録」から女性を選んで結婚できるという世界が舞台。 コロナ禍の日本を思わせる描写のせいかディストピア感は思ったより薄め。そこはかとない薄気味悪さが全体を覆っている印象。 語り手となる登場人物の感情が薄く、主に合理性によって行動しているように見える。その主張もテレビやSNSなど、どこかで見聞きしたことのあるような無個性なもの。 淡々と話が進んでいく中、何とも言えない居心地の悪さを感じつつ読んだ。 作中にディズニーシーが出てくるが、この世界でもリトルマーメイドは人気たり得るのだろうかと考えてしまう。 - 2026年4月13日
黄金仮面の王マルセル・シュオッブ,垂野創一郎,多田智満子,大濱甫,西崎憲借りてきた読み終わった〈象徴主義世代の最も優れた短篇作家〉による短編22編。 面白かった!幻想文学のみならず、歴史や神話に基づくもの、怪奇譚など多岐にわたる。たった200頁強の文庫本だけど読み応えは抜群。 散文詩的なものなどややとっつきにくさを感じた話もあるにはあるが、どれもよかった。 出だしから密度の濃い文章に圧倒的される「地上の大火」、表題作の「黄金仮面の王」、「顔無し」、「眠れる都」が特に好き。 - 2026年4月1日
魔女裁判の弁護人君野新汰借りてきた読み終わった16世紀の神聖ローマ帝国。旅の途中で魔女裁判に遭遇した法学者が告発された少女の無実を証明する。 リーガルミステリという触れ込みだったけれど、魔女裁判が題材であるせいか「〜である/ではないはずだ」という推論メインで展開していく。法廷モノとして読むにはちょっと消化不良かなぁ。
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