推し、燃ゆ (河出文庫)

推し、燃ゆ (河出文庫)
推し、燃ゆ (河出文庫)
宇佐見りん
河出書房新社
2023年7月25日
21件の記録
  • 〜家庭の敗北、ケアの敗北〜 分量は150頁程度と少なめですが、流石は芥川賞、余韻の強い小説でした。 ここでは、推しを持たない人間の視点で、極力ネタバレ控えめにレビューしてみたいと思います。 推し活に邁進し、私生活も呑み込まれていく主人公のあかりをみていて。 私はなぜか、『ぼっちな食卓』と『ルポ 誰が国語力を殺すのか』 の2冊を思い出してしまいました。 前者では、家族が別々に食事することが当たり前になり、後に家族が疎遠になっていく現実を。 後者では、家庭の会話が減少することによる、子どもの国語力の低下の現実を。 それぞれ明らかにした、一度読んだら忘れられない衝撃作です。 勿論、これらを安易に当てはめることに、異論は大いにあるでしょう。 あかりには、少なくとも両親や姉がおり、勉強を教えようとしたり、推し活にのめり込む彼女を現実に引き戻そうと努力する程度には、愛情があります。 そして、あかりには推し活についての長文のブログは「書ける」程度の国語力はあります。 しかし。 彼女は。 生身の人間を相手にすると。 自分の気持ちを表現することが非常に不得手な様子がみられます。 家族を信頼していないこともあり、 さらに言語化できるほど自分の気持ちもわかっておらず、あらゆる助言が通用しません。 この会話の成立しなさは本当にリアルなので、ぜひ実際に読んでみて欲しいです。 そして。 ここまでの危機に聞く耳を持たれない家族は。 私自身のことを棚に上げて、非常に厳しいことを言うならば。 ケアの積み重ねとして敗北したということなのでしょう。 虐待とはいわないにしても。 本人の特性もあってか。 あかりは自己肯定感が育たず、 家庭が憩いの場となりませんでした。 ぼっちな食卓だったのかはわかりませんが、少なくとも家庭で思いを腹を割って話せる雰囲気になかったことがはっきりと伝わります。 そんな環境では、 「自分の気持ちを理解し、表現する」意味での国語力の強化にはつながらなかったでしょう。 家庭が憩いの場とならなければ、戦いの場といえる学校等でも安らげるはずはなく… 生身の人間を避け、重たい自身の体をある意味忘れ、生きる意味を見い出せる、 推し活に救いを見出したのは、 必然だったと言えるでしょう。 そして、もっと厄介なのは。 あかりのような人々は実際に数多く存在するということです。 『ぼっちな食卓』や『ルポ 誰が国語力を殺すのか』で取り上げられていた家庭には、一般的な所得層の家庭も多く、決して一部の恵まれない人々の話ではありません。 幼い頃からのケアの積み重ねによる信頼関係がないと、 あとからのケアでは間に合わないこともある。 改めて、人間には衣食住と並んでケアが必要なのだと実感するばかりです。 どうか。 家庭に、いやこの世界に葛藤を抱え、自身の体を手放したくてしょうがない全ての皆様に。 自身が犠牲となるのではなく、 ケアを求めるに値する存在であることを、人の温もりを持って実感することができますように。
  • NaP
    @NaP
    2026年3月31日
  • yukari
    yukari
    @yukamatcha3
    2026年3月16日
    その人がいないと生きられない、背骨のような存在がいる人は生きづらいのか。 でもそれを原動力にして生きている人は現代にもいっぱいいるからどうだろう。 推し活は自他境界が曖昧だと大変なのかも。
  • yukari
    yukari
    @yukamatcha3
    2026年3月16日
  • wert*+゜
    @wert_3927
    2026年3月6日
    どこかの書評で読んだ 「推しがいる人みんなに読んでほしい本」 ではなく、私は、 「現代、読むべき誰かがいる本」 だと思った
  • はる
    はる
    @spring
    2026年3月6日
    するするっと一気に読み終えて泣いてしまった。推しを推すことと、世間一般で褒められる行動の違いってなんだろう、と思うと推し活ばかりでとおこられることに胸が詰まった。
  • aiko
    aiko
    @taka_ai5
    2026年3月1日
  • Kindleで買ったきりだったものの、ついに読むことができた。 肉体にまつわる描写が非常に多かったように感じた。 私にも推しはいるが、あかりのそれとはまったく違っている。 受け止めきれなかった、解釈しきれなかった部分も多いので、時間をあけて再読したいと思う。
  • どり
    どり
    @hoteyemask
    2025年11月9日
    今更ながら読んだ。一文一文の気迫がすごい。あまりの迫力と切実さに後半は呼吸を忘れそうになった。
  • 六輪花
    六輪花
    @rokurinka
    2025年8月31日
    あかりの療育環境の整備を、誰か…
  • きむ
    @ayapu04
    2025年8月26日
  • 六輪花
    六輪花
    @rokurinka
    2025年8月9日
    読んでいる本に出てきた。その2
  • しげ
    しげ
    @shige512
    2025年5月24日
    推しを推すことは背骨 しびれる
  • さく
    さく
    @hisaku818
    2025年3月24日
  • 悠月
    悠月
    @yzkotm38
    2025年3月17日
  • あつこ
    あつこ
    @atsuko
    2025年3月14日
  • emu
    emu
    @emu___0h1s
    2024年12月19日
  • つぐみ
    つぐみ
    @hatsumikage
    2023年1月16日
  • 花綾
    @azu-322
    1900年1月1日
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