水たまりで息をする

27件の記録
- oto@sakana__books2025年7月10日読み終わった前々から気になっていた作品。 夫が風呂に入らなくなるという、初っ端から衝撃的な展開。 最後夫はどうなってしまったのだろう… 実家で飼っていた「台風ちゃん」が何を表していると解釈するかによって、だいぶ物語の印象が変わる気がする。 夫がどんどん汚れていく描写は嫌な臭いがしてくるようだし、水道水、雨、川など作中で出てくる水がどれもうっすら不快な感じがして、終始まさに水中にいるような、気を抜いたら溺れそうな息苦しさを感じた。 社会一般で言えば、お風呂に入って清潔にすること、他人に不快感を与えないことは常識のような気がするけれど、夫にとってはそうではない。 また、妻である主人公も夫に対して風呂に入って欲しいと伝えつつも強制はせず、義母や母、社会との板挟みになりつつも夫を受け入れ、そんな夫をも愛そうとする。 もし自分が妻の立場だったら、夫を受け入れられるだろうか…。多分なんとかして風呂に入ってもらうだろうし病院に連れていくかもしれない。ありのままの夫より社会とのつながりをとってしまうかもしれない。 なかなか共感するのは難しい作品だった。
- もち村@mcymm2025年4月13日読み終わったはーすごい、すごいものを読んでしまった…。いちばん近くにいるのに心が遠くにある恐ろしさ。環境を変えたそこは桃源郷ではなく「どん詰まり」。「台風ちゃん」という名前も絶妙に気味が悪くてよかった。
- わかな@waka-72025年4月12日読み終わった借りてきたある日、夫が風呂に入らなくなったことに気づいた衣津実。夫は水が臭くて体につくと痒くなると言い、入浴を拒み続ける。彼女はペットボトルの水で体をすすぐように命じるが、そのうち夫は雨が降ると外に出て濡れて帰ってくるように。そんなとき、夫の体臭が職場で話題になっていると義母から聞かされ、「夫婦の問題」だと責められる。夫は退職し、これを機に二人は、夫がこのところ川を求めて足繁く通っていた彼女の郷里に移住する。川で水浴びをするのが夫の日課となった。豪雨の日、河川増水の警報を聞いた衣津実は、夫の姿を探すが――。 https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents_amp.html?isbn=978-4-08-744646-3
- 六月二十九日@micaname2025年4月1日かつて読んだ本当に臭ってくるみたいな細かい描写がすごい。 表紙が綺麗だから前情報入れずに読んだからギャップにやられた。 自分の身内や近しい人が同じ状況になったら自分はどうするんだろう、、 何回考えてもいまだに答えは出ないけどすごい本を読んだなと思った。
- ( ˘ω˘ )@nnn2024年1月1日かつて読んだ作品の核になる事象について、なにかしらの実体験なくして書かれているのだとしたら恐ろしいと感じるほどに、つくづくとんでもない表現力だなと思う。わかるなーと強く感じるところもあって胸の奥のほうがじわじわと苦しくなると同時に、救ってもらえたような有り難みを感じる。高瀬さんの漢字とひらがなの使い方が!とても!好きです!!