とても小さな理解のための

18件の記録
- いっちー@icchii3172025年8月12日読み終わった借りてきたまた読みたい買いたい借りたけど、これは手元に持っておきたくなる本。何回も開きたい。 あんまりよく分からない詩もあったけど、時間が経った時に分かるようになるかもしれないと思えるのでそれも手元におきたい理由。 あるいはプレゼントしたい。 ベタ?に一番最初の星座、という詩が一番好きだなと思った。前書き代わりみたいな詩。分かりやすい型がある詩はリズム感が出るので結構好きなのかも。「区別」や「死ぬ前の話」「週末」とか。前に学んだイシス編集学校の「守」のコースを思い出させた。 他に好きだなと思ったのは「見せてあげる」「ねずみを殺す」すごく愛を感じた、受け取った。あとは「メッセージ・イン・ア・ボトル」の言葉のチョイスがとても好きだった。 あとはことぱの観察をちらっと読んでたので、「ぶん」の死んだ友人の描写も印象的だった。 “竜巻のような電話をする友だちだった 唐突で 肝心なところになるとよく聞こえなくて いつも向こうの方が早く眠った” (何人かの実際の友人を掛け合わせた架空の人物に宛てたメッセージらしい) あとは、それこそことぱの観察じゃないけど、日常的にこう感じてるんだなということがひしひしと伝わってきた。そしてその感受性自体がとくべつで、何か知らなかった感情をうずかせる。(「ちいさな群れ」「城塞」「線とハサミ」「食いちがう」)あとはパートナーの帰りが遅い日(「ベッドタウン・パレード」の最後、ほか)だとか、洗い物をやってくれたからパソコンを開いて詩を書く(カウント)だとか、フィクションとリアルのあわいのような、小説のような、でもくじらさんの生活の手触りも感じられる読後感のやつも好き。 「月が欠ける」「豊穣」「ねえ、おかあさん」とかはある種実験的に、母と子という境界を溶かしてしまった世界を描いてて、他にも似たテーマの詩がたくさんあって、そういうこと(責任とか、母とか?)についてたくさん考えている方なのだな、と思った。くじらさん自身が母になることについて考えてるのかもしれない。あとは母子ではなく境界について考えている詩もたくさん。(「目撃」「冬に光る」など)