色と形のずっと手前で

14件の記録
- 藤沢あかり@tamago2025年3月17日読み終わった感想子育てについては、「わかる」も「頑張りすぎなくていいよ」も言いたくないと思っている(言ってるかもしれんけど)。「わかってたまるか」と、ひねくれもののわたしは思っていたし、頑張りたいことに対して「頑張りすぎないで」と言われるのはつらい。しかし、じゃあどうすればいいのかずっとわからずにいたけど、きっと聞くだけでいいのだろうな。わたしも誰かに聞いてもらいたかったんだろうな、とも。あの頃の気持ちは覚えているようで、覚えていない。もっと書き残しておけばよかったなあと思いながら読み終えた。
- yayano@yaya72025年2月15日読み終わったグラフィックデザイナーが母になったことにまつわる手記。妊娠し出産し仕事に復帰していく合間合間で見えてきた、育児と仕事の両立のできない歪なこの世界について、観察と考察をつぶさに重ねる。私も今春に職場復帰を果たすことになるが、きっと同じことを感じ(或いはすでに感じ)、だんだんと自分の言葉に落とし込んでいくことになるものだろう。 出産シーンの尊さったら、まばゆさったら。誰1人同じ出産はなくて、誰1人として同じ痛みはなくて。著者の経験に肉薄しながら読み進めたので、退院シーンまでずっと泣き散らかした。それなのに「絶対自然分娩がいいっすよ」「女の人なら」だなんて孕ませるだけの性に言われたらと思うと、踏んづけてやる!背負い投げ〜!と脳内でピーコさんやIKKOさんが暴れ出してしまう。明るくいなさないと耐えられない(それでも怒りがちりちりと残る)、心の痛みであることを、知れ、と思う。 この本を読んだ状況は、育休明けのゴールが見えてきたある平凡なワンオペの1日、子の昼寝中と寝かしつけ後の数時間。書いてあることが何から何まで身をもってわかる、そんなドライブ感が心地よかったので爆速で読み終わってしまった。またことあるごとに丁寧に読み返したいし、著者が本を通じていろんな母と対話してきたように、私も著者と対話を続け、時には拳を上げ連帯したい。どうかすべての母親から生まれたすべての人間が、この本を手に取りますように。