ヨーゼフ・メンゲレの逃亡
23件の記録
- hotsecet@hotsecret2026年4月12日学び!感想描写と文体のおかげで、読んでる間ずっと『これは(ノンフィクションではなく)小説』って意識し続けることになる。だから、読み終わった後に事実をもっと知りたいって欲求に結びつくのは上手いなって思った。
- hotsecet@hotsecret2026年4月12日読み終わった題材が題材だけにこれに面白かったって感想つけるの躊躇うけど、面白かった。ノンフィクションというには作者視点からの登場人物の心情描写がありすぎるのでやっぱり小説なんだなと思ったけど、小説として見ると描きっぷりがあまりに淡々としてて面白い。
sataka@satakan_4432026年4月9日読み終わった悪名高いメンゲレを主人公とした一作。ノンフィクションノベルを謳うだけある、丹念な取材を感じさせる筆致は端正であり、知的好奇心を刺激する。悪魔のように語られがちなメンゲレに付与された神話のベールを剥がすように、彼を周囲の助けに依存し、逃亡生活から来る孤独と衰弱に苦しむ卑小な一個人として書く書きぶりに好感が持てた。
ふみ@fumi-i2026年3月21日読み終わったしんどい。しんどくないところがない。 ノンフィクション小説とは言い得て妙で、歴史であり記録であり、圧倒的に小説だった。翻訳もとても良い。 全編通して淡々とした語り口はあくまで簡素でドライなのに、皮肉っぽく悪夢めいている。私達は、その悪夢の背後の地獄をなかったことにしてはいけないのだと思う。

シモン@yansimon071103202026年3月14日読み始めた読み終わったノンフィクション小説。 ヨーゼフ・メンゲレとはナチス親衛隊大尉としてアウシュビッツ収容所の医師を務めた男。ジャーナリズムは彼を「死の天使」と呼んだ。 卑怯で卑小な姿で逃亡し続ける。最期までその優生思想とやらを固持し悔恨の思いは一欠片もなかったのだろうか。絶望的な半生、人格を前に呆然としてしまう。


K@readskei2026年3月12日読み終わった「死の天使」と恐れられたアウシュヴィッツの医師・メンゲレが「天使なんかじゃない」ことを、傲慢で卑劣で矮小な人間だということを、ドキュメンタリーのように魅せる小説。 自分は間違っていないと胸を張るナチ残党を主人公に据えながら、読者による逃亡劇の応援をゆるく拒み、むしろ人としての非道さ・情けなさを浮上させる筆致がしたたか。







きのしたことり@bennynjets_92232026年2月18日かつて読んだ@ 湯河原町映画化されるとのことでこの本の思い出と感想をつらつらと。 数年前、会社員としての文法に身を浸して生きることに消耗し、逃げるように湯河原の温泉宿を予約した際に積読消化として持参して読んだ。 明らかに癒しの湯治を求めた旅先で読む本ではない。だが、人生においては、殊にファシズムの足音が近づいてくる昨今においては、間違いなく読むべき一冊である。 ヨーゼフ・メンゲレは、ナチス政権下で優生思想の下、残虐な人体実験を数々行った人物で「死の天使」の異名を持つ。そんなメンゲレは戦後南米に逃亡し、ついぞ司法による裁きを受けることなくこの世を去った。 事実と罪が明らかにされないまま遺された者の虚しさを偲ぶだけで心が裂けそうだし、その後数々のホロコースト否認が行われたこと(実にとんでもない話だ。知らない人はアーヴィング対ペンギンブックス・リップシュタット事件等を調べてみて)を考えると彼の罪が裁かれず証言が得られなかったことは大きな損失だが、この作品はその失われた時間と事実を緻密な取材と資料収集で可能な限り炙り出し、「死の天使」がいかに卑劣で自らの罪に向き合おうともしなかったかを克明に描く。彼の心情や一部の動向は創作だけれど、その創作は遺された者に寄り添う支えとなるだろうし、同時に忍び寄るファシズムをうち払う灯火にもなると思う。 なぜ同じ人間が史上稀に見る残虐な行為を当たり前のように行ったのか、その人間は何を考えていたのか。そこに想いを馳せることは決して無駄ではないはずだ。 ちなみに湯河原は川のせせらぎと山の緑に囲まれた穏やかな温泉町で、お湯がとても滑らかでこの重たい本を読破する支えになってくれた。









